◇20歳男性 ◆三重県の児童養護施設出身 ◇18歳で児童養護施設を卒園して広島県の4年生大学に入学、大学の寮に入り、キャンプ場でアルバイトをしながら生計を立てている。 ◆現在保育士の資格取得を目指している。 ◇趣味はタブレットで絵を描くこと。
母子家庭で育ち、母親の育児疲れなどの理由から児童相談所と相談の結果、4歳の時に児童養護施設で暮らすことになりました。その時のことはなんとなく覚えていて、多分母親と離れて暮らすことがつらいと感じていたと思います。一人いる弟も(弟が)4歳の時に同じ児童養護施設に入ることになりその後同じ施設で一緒に暮らしていました。 自分の長所はやると決めたことはとことん最後まであきらめないこと人見知りをしないところで、反対に短所は喜怒哀楽が顔に出てしまうところです。 母親とは最近少しですが連絡を取るようになりました。父との思い出で心に残っているのは小学校の入学式に来てくれたときのことです。父のことが大好きだったのでとてもうれしかったのを覚えています。
小学生時代はほんとうにやんちゃな子どもでした。ケンカをしたり学校に行かなかったり、多分まわりからは問題児とみられていたと思います。中学生時代はそれ以上に、外出時間外に施設を飛び出して遊んだりして職員さんをいつも心配させていました。 そのような行動をとっていた原因は今から思うと施設のルールがいやでいやでしょうがなかったんだと思います。一般家庭やルールのゆるい他の児童養護施設と比べて、不満を感じていたことからそのような行動を繰り返していました。なぜ自分が児童養護施設で暮らさなければならないんだと思っていたのかもしれません。そんなやんちゃな自分を職員さんは「最後まで面倒を見たい」とおっしゃってくれていたということを後から聞きました。
高校に入学してからの行動はだいぶ落ち着いてきたと思います。 高校3年生の8月に進学することを決めて、周りの職員さんを驚かせてしまいました。将来は保育士の資格をとって仕事をしたいと考えていたこともあり、そのためには大学へ行くことが必要だと思ったことが進学を決めた理由でした。 それからは勉強と同時に、コンビニのアルバイトをして100万円を貯めるなど進学に向けて努力をしました。職員さんも本当に頑張れるとは思っていなかったと、とても喜んでくれました。 それでももちろんお金は足りないので使える奨学金を職員さんと一生懸命に探して、結果地元を離れて地方の大学に入学することができました。 大学では手に職をつけるためにビジネス文化コースで勉強をしながら保育士の資格取得も目指しています。今は様々な経験をして、長く大切にできる仕事を見つけたいと思っています。 また、趣味で書いている絵をたくさんの人に見てほしくて空き時間があればイラストを書き溜めています。 サークルは子どもを対象にイベントを行ったり、稲刈りやホタルを見たり、自然を体験するというサークルに所属しています。
進学を決めたときに、苦労して進学するよりは働いたほうが楽かもしれないという考えもありました。でもどうしても進学したいという気持ちを、児童養護施設の職員さんが応援してくれたことがうれしかったです。 やんちゃだった子供時代から比べて、少しは大人になったからわかることも沢山あって、いままで自分のためにどれだけのことをしてくれていたかということを痛感しています。 児童養護施設を卒園してからも連絡をくれたり、支え続けてもらっていることに心から感謝しています。お世話になった職員さんに、立派になった自分を見てもらうことで恩返しをしたいと思っています。
母に対しては、小さいときは会うと一緒に住めるかもしれないという期待を持ってしまった時もありました。母も疲れていたと理解できますし、今は母には再婚相手がいて、自分なりに気持ちの踏ん切りがつきました。 一人いる弟も今年大学に入学が決まったという知らせが届き喜んでいます。
勝哉君と何度かお話をしていて感じたことは、過去は様々な思いであれていたこともあったけれど、沢山の周りの人々に支えられ、見守られながら成長してきたんだなということです。 決して恵まれていたとは言えない環境の中、つらいことも、うれしかったことも自分自身と周りの人のおかげで乗り越えてきた勝哉君は人に感謝をする気持ちを持っていること、そして今までの自分を客観的に見ることができていることが素晴らしいと感じました。 卒業まで、卒業してからも様々な葛藤があると思いますが、そんな彼をすこしだけ支えることができたらと思わずにいられませんでした。
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支援者様への報告 毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります 数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)
大学進学も心配でしたが、本人との話し合いを重ねた結果、強い意志も感じられ、通い続けられるという判断から本人の決意を了解しました。人への感謝の想いを持ち、人を上手く頼ることが出来る本人なら、多くの支えと自分の意志で選択した大学生活を乗り越えられるものと信じています。そのため、これまでを支えてきた一職員として本人を応援したいと思います。
学生の間は、人付き合いが上手くいかず、相手と衝突したり悲しい思いもしたり数多くの経験をしました。施設も点々とする等、落ち着くまでに時間はかかりましたが、多くの職員や大人の支えもあり高校卒業を無事に迎えました。施設にとって初めての通信制高校への選択でしたが、確固たる意志でレポート提出から出席を満たす姿勢がありました。それも、本人が少しでも成長したいという想いと施設への感謝の気持ちがありました。
長く過ごした施設とは遠く離れた大学へ進学したいと聞いた時は職員として十分なサポートが出来ない為、無事卒業し本人の夢を実現できるか不安な面も大きかったですが、今も元気に学校に通うことが出来ています。過去の本人からは想像が出来ないピアノの科目の単位も無事取得できそうだと連絡が来た時には誇らしい気持ちになりました。友人も多く、最近ではサークル活動も楽しそうに行っている様子から充実した大学生活を送っている様子が目に浮かびます。今後とも本人が大学生活をくいなく過ごせるよう、お力添えを頂けますようよろしくお願い致します。
現在大学2年生で資格取得に向けて、苦手な科目にも取り組み頑張っています。入学当初から新型コロナウイルスの影響で思い描いていた大学生活とは大分変わってしまいましたが「大学を卒業したい」という強い意志の元よくここまで頑張ってきたと思います。彼なら大学を無事卒業し、現在施設に暮らしている大学進学を目指している子たちの希望になってくれると信じています。しかし、まだまだ卒業までにはたくさんの苦悩が待っていると思いますのでどうか支援のほどをよろしくお願い致します。
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