目標

金額 支援者一人あたり 12万円/年 × 4年間  募集人数7人

石崎 航平さんのプロフィール ※本人が特定されないよう個人情報に多少の修正を加えています。

〇18歳(インタビュー時) 男性 (関東)
〇ひとりっ子
〇5歳から児童養護施設に入所し、現在も暮らしている。
〇2024年4月から4年制専門学校に入学し、公認会計士資格取得のため勉強している。

 

 

 

自分自身のこと

協調性があると思います。まとめたりとかはできないですが、みんなの意見を聞いて「こういうこと言ってたよ」と共有したり、自分で言うのもなんですが、気を遣えるようには心がけています。板挟みになって大変な時もあるのですが、丁寧に話を聞いてあげて、あとは時間がなんとかしてくれるだろうと考えます。
長所はあまり人に怒ったりしないところです。こういう考え方もあるんだなと、人の意見をちゃんと聞いたりできるところは自分で良いところだと思っています。
短所は流されやすいところです。高校生の時、テスト期間でも「遊ぼうぜ」となったらすぐに遊びに行ってしまったり、施設の門限があるのに連絡を入れずにそのまま友達と遊んで帰りが遅くなったり…。とにかく流されやすいので、自分に甘いところを直していきたいなと思います。

趣味:今はあまりできていないですが、サッカーなど友達と運動することは好きです。サッカーは見るよりもする方が好きです。見ていると途中で眠くなってしまうので…(笑)
学校が忙しいですが、新しい趣味を作りたいし、いろんなことに挑戦したいなと思っています。先日はダーツをしに行きました。投げ放題で腕が筋肉痛になったのですが、「3回に1回は真ん中に当たる」くらいのレベルになりたいので、また行きたいです。
あとはたまにアニメを見ます。最近は友達に勧められてHUNTER×HUNTERを見ました。アニメは途中までしか見られないので、漫画を買おうか悩んでいます。マンガもまだ完結していないですが…(笑)

 

航平さんの生い立ちから施設入所まで

関東の病院で生まれて、母と父と自分の3人暮らしでした。当時のことは覚えていませんが、自分がゲーム機でたくさん遊んでいたことと、車が好きでトミカなどのおもちゃでずっと遊んでいたということは母から聞きました。
父がどんな人だったかは記憶にないのですが、統合失調症かなにかで手帳を持っていました。夜に仕事に行って、帰ってきて日中は寝るという感じだったので、自分が小さい赤ちゃんの時は「泣き声がうるさい!」と言われていたらしいです。それでもディズニーランドなどに行っていたようなので、最初は問題なかったのだと思います。途中から父の症状が悪化してトラブルが起こるようになったのか、自分に対してはなかったと思うのですが、母親に暴力をふるったりということはあったんだと思います。金銭的な問題などもあったので、5歳になるときに児童相談所に保護されて、そのまま施設入所となりました。

当時は自分と同じくらいの年の子を見ることがあまりなかったので、「うわ、同じような子がたくさんいるなぁ」と思っていました。周りは初めての人ばかりで、緊張はしてたかもしれないです。母と離れて暮らすことに対しては、あまり覚えていませんが「会いたい」ということも言ってなかったと思います。たまに面会をすることもあったので、そこでよく話をしていました。

年長から入ったので、すぐに小学校生活が始まりました。小学校はとても楽しかった記憶があります。お昼休みはだいたい外に出てドッジボールをしていました。
勉強はからきしダメで、九九を覚えるのもクラスの中ではかなり遅くて、悔しくて泣きながら覚えていた記憶があります。負けず嫌いとかではなくて、みんなが覚えているのにという焦りを感じて、不安になっていたのだと思います。焦りから不安を感じることは今でもありますね。

小学校4年生くらいからサッカークラブに入りました。その前からも遊びでサッカーはしていて、ボールを蹴るのが楽しかったのかもしれません。人数が少なかったので試合などにも出ていました。

 

中学校~高校について

中学校に上がっても小学校からの友達がたくさんいて楽しかったですし、サッカー部に入ることでスポーツで頑張るという経験もちゃんとできました。ポジションはセンターバックかサイドバックでした。部活でのしんどかった経験は夏休み期間の活動です。暑さもあるし、ずっと走らされて、ボールを全然触れませんでした。顧問の先生が途中で変わって、陸上部の先生がサッカー部を兼任するようになったことが原因でした。ディフェンダーも両サイドの人はたくさん走る必要があるのですが、自分のポジションは位置取りが良ければ全然走らなくて済むので、ついた体力を発揮することもあまりありませんでした。
修学旅行とかはコロナで全部なくなってしまったので、特別楽しい思い出というものはないのですが、部活が終わった後の自主練で友達とただおしゃべりする時間が楽しかったです。顧問の先生も先輩もいなくて自由でした。

高校受験の直前はしんどかったです。施設から近いという理由で選んだ学校で、高い学力はあまり必要ではなかったのですが、提出物をサボってしまったりして成績が足りない…ということがあったので、かなりヒヤヒヤしていました。

中学校から同じ高校に行った子はほとんどいなくて、初めて一から人間関係を作るという形で始まりました。自分は結構人見知りをしてしまうのですが、周りの子たちも似たような感じで最初はみんな静かで…。徐々に打ち解けていくことができました。

アルバイトは最初韓国料理の居酒屋さんで始めました。ホールスタッフだったのですが、「人見知りの人間に接客は厳しいんだな、自分には向いていないな」と思って辞めて、次は回転寿司屋さんでキッチンのスタッフとして働き始めました。シャリは機械が自動で作ってネタは手で乗せて提供するというスタイルだったのですが、自分はフライと麺類担当だったので、一度もお寿司を触ったことがありません。キッチンでの業務も汚れますし、急かされたりするので大変だなと思ったのですが、クレームはホールの人が対処してくれるので直接言われることがない分、まだ気持ちは楽なのかなと思いました。

高校生活でしんどかったのは、朝起きることです。8時30分には出発しないと間に合わないのですが、8時15分とかに起きていつもギリギリでした。3年間通っていると信号のタイミングなども把握できてくるので、ちょっと急いだら間に合うなという感覚も培われていきました。あと、自転車通学だったので雨の日は大変でした。

アルバイトをしたかったので部活は入らなかったのですが、結局友達との遊びを優先してしまっていたので、あまりお金を稼ぐことはできませんでした。でも今でも遊べる友達がたくさんできて、とても楽しい高校生活を送ることができたと思っています。カラオケに行ったりボーリングに行ったり、海が近かったので放課後に友達と一緒に行って浜辺で夜までずっとおしゃべりしたり…。門限を過ぎて施設の職員さんからは何度も怒られました。

勉強は数学が苦手でした。中学でルートが出てきたあたりから怪しくなってきて、最終的に因数分解くらいで躓いてそこからダメになりました。
好きな教科は歴史と英語です。英語は、通っていた塾で厳しい先生から「ちゃんと極めておきなさい」と言われて、やらざるを得ないなと思ったから…という理由ですが、おかげで他の教科よりはできると思います。
歴史は、高校では世界史を学びました。外国には行ったことがないのですが、”中世ヨーロッパ”とか、響きがめっちゃ良いなと思って。いつかフランスとかに行ってみたいです。でもやっぱり日本が一番ですが…(笑)

 

進路について

高校2年生の時に暇だったからか、何か学校以外の勉強を始めようと思い立って、簿記3級のテキストを買いました。韓国が好きだったので同時期に韓国語もやってみようと思ったのですがそちらは続かなくて、でも簿記はやってみると楽しいじゃんと思って頑張ってました。そこから会計に関わる職業を調べてみたところ、公認会計士の資格にたどり着きました。 公認会計士は独占業務で監査ができるのですが、自分が育った児童養護施設とかも監査を受けるようなので、そうした形で関われるといいなと思って公認会計士を目指したいと思うようになりました。社会福祉法人は補助金を受け取っていることが多いと思うのですが、補助金を受けるにもどういう風にお金を使ったかという説明が必要ですし、補助金とはまた別に寄付などもいただくと思うのですが、 信用のないところには寄付しないと思うので、信用を得るためのサポートがしたいです。直接施設に関わろうと思うと子どもと接する仕事になるかなと思うのですが、監査だったら施設全体に対しての仕事なので、職員さんにも恩返しができるし、利用者さんにも関わることができるのかなと思いました。
公認会計士になるには、大学に行きながら勉強するという選択肢があるのですが、資格のための教材購入や、別途スクールに通ったりで大学の学費にプラスして80万円くらいかかってしまうことを知りました。それなら専門で勉強ができる学校に行こうと思い、今の学校を選びました。

高校に入った当初は大学受験も視野に入れていて学校のテストも問題なかったと思うのですが、提出物を出すのが苦手であまりいい成績が取れませんでした。提出するプリントを失くしてしまうというのもありましたし、期限に間に合わせるのが苦手で遅れて提出することが多かったです。高校2年生の時点で、給付型奨学金の条件である成績にも届かず、進学をあきらめて就職をしようと思っていました。
ところが、高校3年生の8月に会社見学に行って次は面接…というところで、気持ちが揺れました。アルバイトを通して働くことの大変さも知って、正社員になるともっと責任を持つことになると考えると、自分が18歳で何も知らないのにそこに行くのは少しためらわれてしまって、時間が必要なのかもしれないと思うようになったんです。その中でやっぱりそもそもの夢を諦めないで選びたいという気持ちも出てきて、進学をしたいと周りの先生方に伝えました。高3の8月という時期に急に言ったことで、学校の先生や施設職員さんを振り回してしまったことは本当に申し訳ないなと思っています。職員さんには「高校でも朝起きられなかったでしょ?進学後も起きられるの?」「ご飯とかお金とか、一人でやっていけるの?」「進学も楽じゃないし、大変だよ。」ということを言われました。それでも行きたいと伝えて、じゃあ頑張ろうと背中を押してくれたことに感謝しています。

 

現在の生活

6時半に起きて、片道1時間かけて学校に通っています。帰りの電車は座れることもありますが、行きの電車は座れません。朝から17時くらいまでずっと授業で、月曜日~土曜日まであります。帰ってからも復習して…という毎日の繰り返しです。アルバイトは日曜日にちょっと入るくらいしかできないなと元々考えていたのですが、月曜から土曜日までの授業の復習もしないといけないので、時間が取れていません。検定試験が日曜日に入って一週間休みがないこともあります。
勉強の手ごたえは正直全くありません。今やってる勉強の試験まであと1ヶ月 なのですが(インタビュー時点)、今日で全部のインプットが終わったので、これから問題をたくさん解いて、点数が上がることに期待したいところです…。今のところ覚えることばっかりですぐ忘れちゃったりします。

 

児童養護施設での暮らし

中学生の時にスマホを持てなかったのですが、知らないうちに他の友達がみんなで遊びに行ってるのを見て、うらやましいなと思ったりしたこともあります。SNSが発達した中で、スマホを持てなかったことは、 少ししんどかったなと思っています。でもたとえスマホがなくても、人と楽しく話すことはできると思っていて、学校にいる時間で楽しく過ごせるように心がけていました。
高校に行くと自分を知らない子も多いから、自分から施設で生活しているということを敢えて言うことはなかったです。話すようなタイミングもあまりなかったので。敢えて隠してるわけでも、敢えて言うわけでもなく、聞かれたら言うくらいでした。

自分がいる施設の良いところは、そもそもの土地が広いので、楽しんで外で遊んで健康的に過ごせるのかなと思います。ご飯も美味しいですし、 色々行事があるから、本当に飽きることはないと思います。
逆に悪いとこと言えば、 自分が高校1年生の時ぐらいから、エアコンが壊れたんです。それを自分が卒業した後にエアコンの修理をして、かつ1人 1部屋にエアコンが入るらしくて、もうちょっと早めにしてくれたらよかったのになとは思っています(笑)
今まで ありがとうございましたというのと、まだ1年間いるんでよろしくお願いしますという思いです。 繰り返しですがご飯が美味しいですし、困ったときに頼りにしているので。

 

両親との関係

両親は離婚していて、父親との交流はありません。母親とは定期的に会っていて、ちょうど先週くらいに会いました。お互いの生活があるので、まあ頑張って行きましょうという感じです。体があまり強くなくて、すぐに風邪を引いたりするみたいなので、健康には気を遣ってほしいなと思います。父親に対しては特に何もないですが、1回くらいは会ってみても良いんじゃないかなと思っています。昔のことで、悪い思い出があるというわけではないので。

 

将来の目標

今まで本気で何かに打ち込むということがあまりなくて、部活もサボる時はサボって、ストイックにするほどのやる気まではなかったので、何かに本気で打ち込んで、結果を出せるようになりたいです。それはその後の自信とかにも繋がってくると思うので。何かに頑張れる人になりたいなというのが1番にあります。

 

後輩へのメッセージ

うーん、そうですね。頼れる人には頼って、自分のしたいことを 選べばいいと思います。応援してます。

 

 

 

 

 

みらいこども財団スタッフのコメント

航平さんはまじめで朴訥とした印象を受けました。よく喋るタイプではないですが、自分の言葉をしっかりと話してくださる方です。
そしてご自身の良いところも少し弱い部分も認めて、コツコツ努力ができる方だと思います。
公認会計士はとても狭き門だと思いますが、厳しい道を自ら選ばれた航平さんが、目標に向かって全力で打ち込みチャレンジすることができるように、ぜひ応援していただきたいと思います。

資金計画

(簡易版)

 

(詳細版)

 

 

支援者様への報告
毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります
数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)

 

航平さんを応援してほしい理由

職員Kさん

航平くんは口下手で、自身の気持ちを伝えるよりも相手に合わせてしまうところがありますが、それゆえに人に優しく、誰かを傷つけるようなことは決してしません。職員に対してもおどけて笑わせてくれたり、ふと手伝ってくれたりと優しく思いやりのある人物です。
小学校、中学校ではサッカーに励み、友人も多く、学校生活を楽しんでいました。
高校では卒業後の進路をどうするのか大いに悩みました。自分のことを自分自身で決めるという経験を積んで来れなかったため、とても難しい選択だったとは思います。それでも、自分のやりたいと思ったことを貫き通し、前を向くことができたのは本当に航平くんの成長だと思っています。
航平くん自身が決めた道を精一杯頑張れるように一緒に応援していただきたいです。よろしくお願いいたします。

 

職員Iさん

物静かな第一印象の航平くんははにかんだ笑顔がとってもかわいらしいです。自分の好きなもの、必要なことはじっくり心に秘めて考え、興味関心のあることに対して自分の気持ちに自分のペースで向き合い取り組んでいます。多くの方に支えられてコミュニケーションを学び、思いやりや感謝の気持ちが育ちました。これからも航平くんの笑顔が輝くように応援したいです。
どうぞよろしくお願いします。

 

職員Mさん

年長~高校3年の13年間施設で生活していた航平くん。集団生活の中で、我慢することも多かったと思いますが、穏やかで、優しいその人柄に年下児童からも好かれて、身近な憧れのお兄さん的存在でした。また、元々、勉強を好まなかった航平くんが、将来について考える中で、簿記の勉強を自主的に始め、コツコツ勉強し、悩み抜いて決めた進路です。ぜひ、皆様に応援していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

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