〇18歳(インタビュー時) 男性 (東京都出身) 〇4人兄弟の長男として生まれました。 〇児童養護施設には5歳から18歳まで暮らしていました。 〇23年度より施設を卒園して、自立支援ホームで生活しながら技術系の短期大学校に入学して勉強とアルバイトの両立で頑張っています。
短所・あきっぽいところ。にがてなことは避けようとするところ。人に対しても好き嫌いがあると思います。 自分から話しかけるのですが、話が合わなかったりすると距離を置いてしまうところがあります。 長所:人からは良く優しい性格と言われます。 たしかに、人から頼まれると「いいよ」ということが多いと思います。 でもいやなことははっきりと断ります。 趣味:アニメにはまっています。最初は作り物だという先入観があって興味がなかったのですが、よく見ると深い内容や一作一作に作者の思いがこめられていて、いまでは言葉では表現ができないくらいに面白いです。 最近は時間があればスマホでアニメ動画を見ています。 アニメの中では特に「五等分の花嫁」というアニメが気に入っています。 音楽は昭和の曲をよく聞いています。たとえば松田聖子さんや鈴木雅之さんはお気にいりです。
父、母、姉、弟二人の長男として生まれました。 児童養護施設に入ったのは5歳の時なので、あまり覚えていません。 母から聞いた施設に入るきっかけは、父には定職がなく、母が一人で働いて家庭を支えていたこともあり生活が苦しかったこと。そんな生活の中で僕が家の2階から落ちるという大けがをしたことで警察が入ったことが原因だそうです。
最初は一時保護所にはいることになりました。保護所の人にはすぐに家に帰れるよといわれていたのですが、急に児童養護施設に行くことが決まって、ここで暮らせていけるのかと漠然した不安に襲われたことを覚えています。 それからは姉と弟と3人で一緒の施設で暮らすことになりました。弟一人だけ実家に残ることになったそうです。 施設での暮らしは、最初知らない大人が怖かったのですが、兄弟が一緒にいたということが大きかったのと、施設の子どもから話しかけてくれたおかげですぐに仲良くなれました。 小学生の時の私は、体操クラブやサッカークラブにも入っていましたが、どちらかというと控えめで大人しい子どもだったと思います。 その当時は、戦隊モノが好きな友達とよく遊んでいましたが。 その反面、1人で誕生日のお小遣いを貯めて購入した3DSで部屋で一人きりで遊ぶことも好きな子どもでした。
中学は施設がある地元の学校に進学しました。 部活はサッカー部に入りました。自分でも、サッカーはうまくはなかったと思います。 サッカー部全体のレベルに合わせることがむつかしくて、あまり試合にはでることはできませんでしたが卒業までやめることなく続けました。 クラスではおとなしいタイプで勉強は得意な教科もなく嫌いでした。はやく授業が終わらないかなぁといつも思っていました。 中三になってから施設にはいってきた子どもとサッカーをして遊んでいるうちにとても仲良くなり、たいていの時間をその子と一緒に過ごしていました。
高校は施設の先輩が通っていた学校に進むことにしました。 入ってから気が付いたのですが、校則がとても厳しくてアルバイトや服装にはとても厳しい学校でしたので少し後悔しました。(笑) 中学校は人とあまりかかわっていませんでしたが、高校は友達もたくさんできて、放課後一緒に遊ぶことも多くて楽しかったです。 その時の友達とは、今でもたまに会っています。 部活は引き続き、サッカー部に入りました。 ポジションはセンターバックでスタメンで試合に出ることもできて、自分では高校時代の部活に関してはやり切ったと思っています。 その他はボランティアを経験したことも自分にとっては大きな経験になりました。
進学した理由は、高校3年生の時に自分の将来を考えたときに専門の知識を学んで身につける必要があるということです。 施設からは高校を卒業してすぐに就職する子どもが多かったのですが、大学や専門学校に進学したほうが選択肢は多いと思います。でも1人で生活することやお金のことなど、進学することで大変なこともあると考えて悩みましたが、自分のためになると考えて決断しました。 学校選びは担任の先生に勧めてていただき、実際に見学してからも良い印象を受けたので現在の学校に決めました。 学校は専門の技術を教えている学校で、勉強している内容はシーケンスプログラムや電気回路やコンピューターのワードやエクセルを学んでいます。
授業は難しい内容もありますが、ためになることが多くて卒業生は整備や電気会社に就職している人が多いそうです。 同じ趣味の友達もでき、今までの人生で一番充実していると感じています。 アルバイトはコンビニと回転すしのチェーン店で平日は18時から22時まで、日曜日も働いています。全国でも売り上げが上位のお店なのでとても忙しいので大変ですが頑張っています。唯一の休みは土曜日だけですが、アニメを見たり弟と遊んだりして過ごしています。
施設で辛かったことは門限があることとルールが厳しいところです。(笑) よかったことは、施設内のいろんな子どもと関われたことです。 世間的には児童養護施設のはマイナスのイメージがあると思いますが、多くの人と関わる経験ができることは良い部分だと思います。 施設の職員さんはなんでも話をきいてくれ、進学の時も親身になっていただき、ダメなことは叱ってくれるし、よかったときは思い切りほめてくれる、自分にとっては親同然の存在です。 進学することについても最後まで応援してくださいました。 毎年、卒業生を招待してくれる日があるそうなので僕も招待してくれたら遊びに行きたいです。 いまはまだ恩返しはできないですが、職員さんにお会いしたらリラックスグッズをプレゼントしたいです。
母とは施設に入ってからは1~3ヵ月に一度程度の面会があったと思います。 1年前に母親は再婚をし、姉は施設を卒業して就職しています。 弟はまだ施設で暮らしています。 母の再婚相手の男性とは一緒にあって話をしたこともあります。
自分の父のことは記憶にはなく、自分が施設に入ってから全くあったことはありません。今は父の事を考えることはありません。 母はしんどいときに、一人で家庭を支えていてくれていたと思うので感謝をしています。 昔は一緒に暮したいと考えていた時期もありますが、今はそう思うことは少なくなりました。これから一緒に暮すことはないのかなぁと思います。
一般家庭の子どもと自分の違いを考えることが昔はありましたが、 過去の嫌なことを考えるのではなくて、前向きなことを考えるようにしています。
高校時代から現在まで、他の児童養護施設の子どもたちを森に招待して様々なことを体験するという団体にボランティアとして参加していました。 最初は小3の時に子どもとして参加し、とても楽しかったので続けて通うようになりました。 高校になって、活動にボランティアとして参加しようと思って、応募したところ合格しました。 それから、おとなしかった自分が明るくなって積極的になれたような気がしています。 自分が楽しいとおもったことが他人も楽しんでくれることがうれしいので、これからもボランティアには関わっていきたいと思います。 しかし、今の団体でボランティアという整った環境で行うのではなく、それに甘えずに違う道も探してみようと考えています。
将来については具体的に考えることでできていません。 将来を考えることは大事だと思うのですが、今を生きることも大事なので、今の瞬間を大切に生きたいと思います。 仕事は、今の学校を卒業してから自分の技術をつかって人に喜んでもらえたら嬉しいです。 今は学校とアルバイトで時間があまりありませんが、休日は弟と一緒に遊んだりアニメをみたりして過ごしています。
人から「優しい人」と言われているだけあって、物静かな穏やかな青年という印象でした。 とても前向きな考え方をお持ちで、未来よりも今を大事に大切にしたいということをおっしゃっていて、過去は振り返らないという覚悟が感じられました。 過去にはつらいことも沢山あったと思いますが、感謝という気持ちを忘れずにこれからも一歩一歩努力されると思います。 是非彼を一緒に応援してください。よろしくお願いいたします。
(簡易版)
(詳細版)
支援者様への報告 毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります。 数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)
3月末から入所してきた自由君ですが、もともと生活していた児童養護施設でも関わりがあったので、もう8年ほどの付き合いになります。
自立援助ホームでの生活は、児童養護施設とは違い、毎日学校に行きながら、しっかりバイトもして生活費を稼がないといけません。彼自身、学校もほぼ休まず、その上で週5~6日間ほどバイトに励んでいる姿が見られています。
ここを退所する残りの1年半ほどの期間の中で、今の生活を維持しながら就職へ向けて動いていったり、一人暮らしをするための準備をしていかなければいけません。
彼自身が少しでも余裕をもって自立に向けた準備ができるよう、皆様からの温かい支援を是非ともお願いいたします。
本児は今年の3月末から自立援助ホームに入所しています。性格はとても穏やかで、ホーム内でも協調性をもって生活しています。言葉数は少ないですが、しっかり自分の意見も持っているお子さんです。また、職員が自立に向けてのアドバイスや助言をすると、素直に聞いてくれており、自立援助ホームで生活する意味を考えて、彼なりに自立に向けて生活することができています。
短期大学校へ通いながら生活費や、将来一人暮らしのお金を貯めるためにアルバイトにも励んでいますが、学校の方も単位を落とすことなく、前期を終えることができました。学業との両立はとても大変だったと思いますが、とても頑張っていました。疲れた時には、アニメを観てリフレッシュしており、自分でオンとオフの切り替えも行えています。
自立援助ホームの職員として、未来の明るい彼の成長と自立をこれからもサポートしていきますので、ご支援の程よろしくお願いいたします。
みらいこども財団では「貧困や虐待についての現状」「児童養護施設の現状と課題」「みらいこども財団の活動内容」について詳しくお伝えするオンラインセミナーを定期的に開催しております。まずはお気軽にご参加ください。
オンラインセミナーに参加する
児童養護施設の子どもたちを支援するには長期間にわたっての支援が必要不可欠です。 現在、児童養護施設に入所する子どもは低年齢化、さらに長期化しております。 1歳から乳児院に入り、18歳で卒業するまで児童養護施設で暮らす子どもが増えています。 そのような子どもたちを長期間支援するために、サポーター会員として継続的寄付をお願いいたします。
寄付で支援する
遺言に基づいて特定の個人や団体に資産を分け与えることを「遺贈」といいます。 遺言書の内容により、受取人やその内容を指定することができます。 一部またはすべての財産の受取人として一般財団法人みらいこども財団をご指定いただくことで、日本で貧困や虐待で苦しんでいる子どもたちの支援や奨学金としてご支援いただけます。
遺贈について
お問い合わせはこちら
みらいこども財団は、内閣府が主宰する「子供の未来応援基金」の支援を受けています。 子どもたちに寄り添って草の根で支援活動をする団体として、第4回未来応援ネットワーク事業に採択されました。
お問い合わせ