〇18歳(インタビュー時) 女性 (関東地区生まれ) 〇7人兄弟の長女として生まれる。 〇中学2年生から児童養護施設で暮らしている 〇2025年4月から4年制大学に進学する 〇将来は保育士を目指している
【自分のこと】
・長所:何事にもチャレンジすること。高校では1年生の時から生徒会に入り、3年生では生徒会長になることができました。 友人からは明るいところ、元気なところが長所だといわれています。 ・短所:自分のキャパシティを超えてしまうと、とことん落ち込んでしまうことろです。 友人からは自分に厳しすぎる、そんなときは相談してとよく言われます。
【趣味】
バイトが忙しくてドラマなどは見る時間がありませんが、音楽はK-popではTWICE・aespa、JpopではSHISHAMO、Mrs.GREEN APPLEなどをよく聞きます。ストレス発散でたまにギターを弾きます。 好きなものは施設の職員さんが作ってくれるオムライスを食べることです。
【生い立ち・家庭環境】
7人兄弟の長女として父と母のもとで生まれました。 小学生のころは兄弟といつも一緒に遊んでいました。 とても活発な女の子で木の上に登って遊ぶことも平気な子どもでした。 兄弟が多かったのでお母さんは大変だったと思います。
父の仕事の関係で6歳くらいのころから引っ越しが多くて、友達ができてもすぐにお別れすることになったり、勉強も遅れてしまうことが多くて勉強は諦めていました(笑)。 引っ越しのおかげで自分から友達を作ることは得意でした。
中学にはいるころは生活保護を受けていたのですが、父親がとても怖い存在でパチンコ、ギャンブルなどでお金を使ってしまい、家にはいつもお金がなくて電気が止まることもよくありました。 バレー部に入部して、大会に出たくても交通費やお弁当代もなくて、父からは行かなくていいといわれて泣いたこともあります。 そんな時に母が病気で倒れてしまい、何度も入院をすることになりました。 私は大切にしてくれた身近な人の死を感じ、私が食事を作ったり、母や兄弟のことばかり考えていました。 学校には頑張っていってましたが、父からの暴力などもあり、本当は行きたくなくて仕方がありませんでした。 中学校には行っていましたが、正直あまり行きたくなかったです。
コロナが蔓延しているそんな中、父からの暴力がひどくなり、中学2年生の時に母と兄弟とで母子家庭が入れる施設で暮らすことができました。そこではやっと安心して生活をすることができました。でも中学校の思い出はあまりありません。
そんな安定した生活をおくっていたのですが、母が突然父のところに行きたいと言い出しました。 私は大反対しましたが、最終的に母の気持ちを優先しました。
それから、母は父のもとへ、残された兄弟は別々の児童養護施設で暮らすことになりました。 その後中学三年生の時に父が亡くなったと母から知らされることになりました。
【児童養護施設での暮らし】
児童養護施設で暮らすことになりましたが、同じ部屋の先輩がとても厳しい人で、性格も会わなくて施設に入ってからも辛いことがありました。でも施設でも仲の良い友達ができましたし、なによりもとても親身になってくれる、先生がいたことで救われましたし、私も大きく変わることができました。 とくに先生にはメンタルを鍛えられました。 コミュニケーション能力は高いのに不安が先に立ってばかりで、何もチャレンジできない私に配慮しながらも、いろんな言葉で、ときには「なにくそっ」と先生を見返してやると思わせてくれたのです。
【高校生時代】
そんな先生のおかげで、高校に入ってからは積極的に行動することができました。 部活は弓道部に入り、生徒会にも1年生から入って活動しました。 3年生では生徒会長として文化祭の実行委員、ボランティア活動、能登半島の地震では募金活動など大変なこともたくさんありましたが、大勢の人をまとめて実行する経験はなによりも私の自信になりました。 自分でのすごく成長できたと思います。
【進学について】
保育士を目指す理由はいくつかありますが、一つは高校2年生の作業現場実習で福祉系企業に行ったこと。そこで高齢者や子どもと関わった経験から大きかったと思います。 もう一つは幼い時から兄弟が多かったのと、児童養護施設でも小さい子どもがたくさんいて、子どもとかかわること、成長する姿を見ることが大好きだったからです。 大学を選んだ理由は、いろんな資格が取得できるということをオープンキャンパスに行ったときに知ることができたので、この大学に入りたいと思いました。 大学に入ってからは、サークルに入ったり、できたら留学にもいってみたいです。 高校生時代はクラブ、生徒会、アルバイトでほとんど遊んだ記憶がないので少しは楽しんでみたいです。
【家族の思い】
お母さんはいつも私たち子どもにたいして施設に入れてごめんと謝ってくれるのですが、私は施設に入って成長できたし、その成長も母はみれなかったと思うので、これからは一人暮らしになるので、母とは今まで以上に会えると思うので、ゆっくりと恩返ししたいと思います。 父の死に対しては実感がありませんが、母が大好きだった父なのでいつかは許せるようになりたいと思っています。 別々の施設で暮らしている兄弟と今は会えていないですが、早く家族全員で会えるのを楽しみにしています。
【施設の後輩、職員さんへ】
施設の後輩には、何かにチャレンジするには今からでも遅くないよ。いろんなことを経験してください。あなたを支えてくれる職員さんがそばにいます。 施設の職員さんとは、反抗期で喧嘩したこともあります。でも学校の送り迎えや、いつも食事を作ってくれたり、私がつらいときにはエネルギーをくれていつもそばにいてくれました。ありがとうございました。本当に感謝しています。
職員様からは、施設内でも子供の面倒をよく見て、職員のお手伝いも自ら行うとても良い子どもです。と聞かされていました。 実際にお会いしてみると本当にしっかりしている聡明な学生さんでした。 いろんな苦労をしているから人の辛さもわかるのでしょう。 誰に対しても感謝を忘れない、彼女が少しでも学生生活を楽しめるようにご支援をお願いいたします。
(簡易版)
(詳細版)
支援者様への報告 毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります 数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)
職員Aさん
誰に対しても優しく、笑顔が素敵な女の子です。高校生の時には学校生活がより良くなるようにと生徒会活動も熱心に取り組み、とても頑張り屋な一面と時に見せる天然な一面がある、魅力ある子です。施設での生活を通して保育士になる夢を持ち、志望していた大学に合格しました。これからは一人暮らしをしながらの大学は大変ですが、頑張れると思っています。皆さんの応援宜しくお願い致します。
職員Bさん
在園中はみんなの優しく頼れるお姉さん的存在でした。 高校生活では生徒会長として学校を支えながらバイトと学業を両立し見事希望の大学合格の夢を掴んだ努力家です。 現在は次の大きな夢に向かって大学生活を送っています。頑張りすぎてしまう一面もありますが・・・ 自分の夢に向かって努力し頑張る子なので応援宜しくお願い致します。
職員Cさん
児童養護施設での生活の中で、「保育士の関わり方で子ども達が変わる」という事を実体験し、高校の職場体験で保育園に行き、実際に支援する事の難しさ、楽しさを体感し、進学を決め資格取得のために大学に進学しました。 優しく、面倒見も良く、保育士になるための素質はあります。ただ、少しネガティブな一面もあり、心配になる部分もありますが、自分で決めた事は最後まで頑張れる子なので、大学生活をしっかり過ごしてくれると思っています。
みらいこども財団では「貧困や虐待についての現状」「児童養護施設の現状と課題」「みらいこども財団の活動内容」について詳しくお伝えするオンラインセミナーを定期的に開催しております。まずはお気軽にご参加ください。
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児童養護施設の子どもたちを支援するには長期間にわたっての支援が必要不可欠です。 現在、児童養護施設に入所する子どもは低年齢化、さらに長期化しております。 1歳から乳児院に入り、18歳で卒業するまで児童養護施設で暮らす子どもが増えています。 そのような子どもたちを長期間支援するために、サポーター会員として継続的寄付をお願いいたします。
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遺言に基づいて特定の個人や団体に資産を分け与えることを「遺贈」といいます。 遺言書の内容により、受取人やその内容を指定することができます。 一部またはすべての財産の受取人として一般財団法人みらいこども財団をご指定いただくことで、日本で貧困や虐待で苦しんでいる子どもたちの支援や奨学金としてご支援いただけます。
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みらいこども財団は、内閣府が主宰する「子供の未来応援基金」の支援を受けています。 子どもたちに寄り添って草の根で支援活動をする団体として、第4回未来応援ネットワーク事業に採択されました。
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