目標金額 支援者一人あたり 12万円/年 × 2年間  募集人数 8人

佐藤 健人さんのプロフィール ※本人が特定されないよう個人情報に多少の修正を加えています。

〇20歳(インタビュー時) 男性 (岐阜県出身)
〇6人兄弟の4番目(弟と妹がいる)
〇3歳の頃から児童養護施設で暮らしている
〇自動車整備士1級取得を目指して4年制専門学校で学んでいる3年生

 

自分自身のこと

長所:周りの空気にうまく合わせることができるところです。友達からはよく「真面目だよね」と言われます。1人暮らしになってからは自炊をがんばっているつもりです。
短所:些細なことでもため込んでしまって我慢をしてしまうことが多く、飽きっぽいところもあります。
趣味:ゲームをしたり、音楽を聴くことが好きです。特にゲームは「スマッシュブラザース」音楽は「バックナンバー」が気に入っています。時間があれば家の周りを散歩することも好きです。
アルバイト:最近までスーパーの総菜売り場で働いていましたが、今は新しいアルバイト先を探しています。

 

健人さんの生い立ちから高校生時代

産まれたときは上に3人の兄と姉、下に2人の弟がいる家庭で育ちました。僕が3歳の時に児童養護施設に入ったそうですが、本当の理由は知りません。施設には先にお兄ちゃんとお姉ちゃんがいたそうですが、施設に入ったころの記憶はほとんどなく、物心ついたときには子どもは施設で暮らすのが当たり前だと思っていましたので、疑問に思うことなく過ごしていました。
小学生の時はやんちゃな子どもで、サッカーが大好きで毎日が楽しかったのを覚えています。クラスではいじられキャラで、いつも友達と一緒に遊んでいたと思います。そのころからスポーツが得意だけど勉強は苦手で、特に国語が嫌いでした。

地元の中学校に進学し、部活はサッカー部に入りました。サッカーの試合に出ることはできたのですが、今思えばもっと練習しておけばよかったと思うこともあります。クラスでも友達はたくさんいて、教室では毎日ワイワイ騒いでいて、放課後も友達とお話ばかりして、楽しいクラスでした。
そのころも施設でくらしていることに対して、「普通とは少し違うのかな?」ということに気が付きましたがあまり考えることもなく過ごしていました。たまに友達から施設ということをいじられることもありましたが、あまり気にしないようにしていました。勉強は相変わらず苦手で、学校生活は楽しかったのですが、今思うと不完全燃焼なところもあります。

高校への進学は、自分では成績が余り良くないと思っていたのと施設の先生と相談して資格を取得することを目標に、工業高校に進学しました。部活は仲の良い友達と相談をして今度はバトミントン部に入部することにしました。そのころから、児童養護施設にいるということに対して意識するようになって、友達には施設で暮らしているということを自分からは話しませんでした。だからかもしれませんが、自分からあまり積極的にはなれず、中学校時代より友達の数は少なかったかもしれません。

 

進路について

将来については、なんとなく中学生のときから車関係の仕事につけたらいいなぁぐらいに考えていましたが、高校2年生ころから学校の指導もあり、真剣に進路について考えるようになりました。友達のほとんどは高卒で就職をする中で、自分も就職をすることを考えましたが、もっといろんなことを深めて勉強していきたいと思い、進学を考えるようになりました。でも自分が優秀だとは思っていないので、無理してレベルの低い大学へいくよりは専門学校で資格を取得して技術を磨いてみようと思い専門学校に進学を決めました。専門学校でも2年で2級整備士をとるのか4年間で1級を目指すのかを真剣に考えました。その結果、どうせなら頑張ってみようと思い4年制の学校を受験した結果、合格することができました。
今年4月から3年になります。今まで2年間、専門学校に通って思い返すと、いろんなことが大変でした。授業の量やテストの回数も多く、家に帰ってからも勉強を続けています。そのおかげか、授業を集中して聞くようになることができました。その成果もあって上位の成績をとることができています。勉強をしていて面白いと思うことは、部品や仕組みの勉強をしているときに、これを最初につくったひとは「すごいなぁ」と思わされる時です。
自動車整備士にとって重要なことは、コミュニケーション力だと思います。自分一人ではなにもできないから仲間の協力を得るために、いろんな人と円満にコミュニケーションをとることが大切なんだと知ることができました。
昔より自分の自由な時間をとることが少なくなっていますが、残り2年間授業とアルバイトの両立を頑張りたいと思います。

 

児童養護施設での暮らし

児童養護施設に入ったとき、暮らす場所は別々だったのですが兄弟が近くにいるということが安心につながっていたと思います。
施設でよかったと思うことは、とにかくご飯がおいしかったことです。僕はカレーライスが大好物でした。
施設には頼れる先生が多くて、進学についてもとても助けてもらうことができました。
辛かったことは、コロナになってから外出が禁止になったことです。
その施設での暮らしの中では、部屋は分かれているのですが、小さい子もいろいろな性格の子がいるので一人になりたいときもありました(笑)
人からは感謝の気持ちを持っている、ありがとうを自然と口にだすことができると言われるのですが、自分ではお世話になっている人にたいして感謝を伝えるのは当たり前だと思っています。施設への恩返しは、お世話になった職員さんに初任給で食事をご馳走したいと思っています。

 

母親との関係

母と最後に会ったのは高校1年生のときでした。それまではたまに短い期間ですが夏休みに家に帰ったこともありますが、1年生からは会ったことはありません。
父と会ったのもそのくらいの時期だったと思いますが、同じようにそれからは会っていません。
両親に対してどう思うか聞かれると、正直今は何も思っていません。思えないというほうが正しいかもしれません。
でも、たまに普通の家庭に生まれていたら自分はどうなったんだろうと考えます。
人は生まれた瞬間からレールを引かれていると納得はしていないですが、そう考えてしまうことがあります。
今までもこれからも親には一切頼れないし一緒に暮らすことはないし、会うことはないんだろうと思います。僕は自分の親のようにはならないでおこうとは思います。
弟はまだ施設にいるので自由に会えませんが、卒業した兄姉とはたまに食事いったりしますし、LINEで連絡を取り合ったりしています。

 

施設の後輩たちへ

後輩たちに伝えるなら、「もっと職員さんを頼ってほしい」ということです。中高生になると職員さんに反発することもありますが、職員さんは大人で、いろんな知識を持っていて大抵の事は教えてもらえるし、助けてもらえるからもっと頼ってほしいです。最近は奨学金などの制度が充実したこともあって進学する子どもが増えているそうですが、周りの人を頼れなくて続かないことも多いと思います。だから、身近な職員さんを頼ってほしいです。

 

将来の夢

僕は、小学生の時にガンになってしまって3ヵ月くらい入院した時がありました。その時の手術のあとが残ってしまい、友達からバカにされたりしたこともあります。傷跡は消えないので今でも辛い思い出です。でもそんなことを乗り越えてこれたのだから、自分に自信を持ちたいと思います。
今は1級の自動車整備資格を取得して、働きたい会社に就職するのが夢です。10年後に自分がどうなっているかわかりませんが、自動車関係の仕事について頑張っていると思います。家庭を持つということはあまり考えられません(笑)

 

みらいこども財団・スタッフの感想

「施設にいたころはみんなにやさしくて、真面目で自分で目標設定して努力することができ、いつも「ありがとう」と相手に対して感謝を伝えることのできる子で、職員全員が彼のことを応援したくなるような若者です。」と施設職員さんから事前に聞いていた通りの好青年でした。
謙虚で慢心することなく頑張っている健人さんをサポートするため、ご協力をお願いいたします。

 

資金計画

(簡易版)                            (詳細版)

 

    

支援者様への報告
毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります
数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)

健人さんを応援してほしい理由

職員Aさん

オンライン里親で里親となって下さっている支援者のみなさん、いつも温かいご支援ありがとうございます。

施設を出て進学、一人暮らしを始めて3年目になるのですが、厳しい現実に突きつけられているようです。多くの方々からご支援いただき、シュミレーションを立てて頑張っているのですが、人生なかなか予定通りにはいかず苦労しています。金銭的な面でもそうですが、精神的な面でも苦労しているようです。施設に居る時は不満はあったでしょうが、帰れば誰か居て愚痴でもこぼせたでしょうが、今はそうはいきません。金銭的な援助だけでなく、人との関わりを大切にしてくれる素晴らしい支援だと思います。今はまだ孤軍奮闘しているようですが、この支援を通して一人ではないということに気づき、頑張ってもらいたいと思います。

職員Bさん

健人さんは、将来自動車の整備士として働くために4年制の専門学校に進学して早2年が経ち、現在は3年生になりました。成績や学校の先生からの評価も高く、つい先日は、国家資格である自動車整備士資格の二級に見事合格することができました。それだけでもすごいことですが、彼はこれから、一級を取得しての卒業、そして希望する企業への就職というさらなる高みを目指して頑張っていくことでしょう。ただ、一つ気がかりなことが全盛期の頃のコロナの煽りを受け、働く意欲があっても働き口が見つからず、見込んでいた収入が得られていないことです。我々の微力ながらのサポートと彼の一生懸命な頑張りで奨学金や助成金、様々な社会資源を活用して経済的にもなんとかギリギリでやりくりしているのが現状です。

彼の誠実さと頑張りは、他の誰よりも入所当時から今日まで彼を見てきた我々施設の職員が一番理解しているつもりです。そんな彼が後二年間学業に専念できるよう、少しでも余裕のある生活が送れるように寄付者の皆様の温かなご支援、一助をよろしくお願いします。そして我々は彼が卒業する際に語ってくれた「いつか自分が整備した車を、今までお世話になったみなさんに安心して笑顔で乗ってもらう。」その日が来ることを心待ちにしています。

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生まれてきてよかったと子どもたちに思ってもらえる未来をつくるため、私たちは決して諦めません。