〇19歳(インタビュー時) 男性 (関東地区生まれ) 〇2人兄弟の長男として生まれる。姉が一人 〇小学1年生から児童養護施設で暮らしている 〇2024年4月から2年制の保育系専門学校に進学する 〇将来は保育士を目指している
趣味:体を動かすこと。特に球技中でもサッカーが好きです。中でも選手はバルセロナのプジョル選手が好きです。 音楽は特に気に入った歌手やバンドはいませんが、気に入った曲をその都度聞いています。最近は山下智久「最後のラブソング」をよく聞いています。 プライベートはアルバイトに行っている時間以外は部屋でゲーム実況のYouTubeを見ています。 携帯ゲームは「ブロスター」にはまっています。 長所:友達からは面白い、明るい性格だといわれていますが、自分ではあまりわかりません。
短所:短気すぎるところです。友達とけんかすることはありませんが、イラっとしたら相手にきついことを言ってしまうことがあります。
アルバイト:家の近くの飲食店とカードショップで働いています。飲食店は週3回、平均4時間。カードショップは週3回、平均3時間くらい入っています。 土日もアルバイトで、休みは水曜日だけなので、学校が終わるとほっとします。
幼い時の記憶はありませんが、小学生時代はわんぱくで、学校が終わると毎日サッカーしたり、友達と鬼ごっこで遊んだりしていました。 サッカーは父の影響で小学校三年生からずっと続けていました。僕は体が大きいほうではないのですが主にディフェンダーやボランチがポジションです。サッカーの楽しいところは、体の大きな相手にもポジションやタイミングを工夫することで勝つことができることろです。 始めたときは下手でしたが、小さくても体力をつけたりすることでうまくなることができました。
中学校は地元の学校に進学しました。 勉強はほとんどしていませんでしたが、部活はサッカー部に入っていたので体育の成績はよかったです。サッカー部の仲間とはとても仲が良くて土日も練習を頑張りました。 もともと足は速かったので、体力を中心に向上させて次第にレギュラーとして試合にでることができました。 しかし、学校のサッカー大会では勝ったり負けたりの成績でした。 クラスでは特に目立つタイプではありませんでしたが、友達はそれなりにいたと思います。 部活が中心の生活だったのと、家ではご飯の支度、洗濯などをしなければならないので友達と遊ぶということは少なかったような気がします。 中学校2年の時に施設に入ることになり、転校することになったのですが、 転校先の中学校ではすぐに友達となじむことができました。 僕は人見知りなので、周りのひとがみんな優しかったのが大きかったと思います。 すぐにサッカー部に入って、自分では充実した中学生活を過ごすことができました。
高校生活 まずは自分の成績にあった入れそうな高校を探して入学しました。 中学校に引き続き、高校でもサッカー部に入りました。 それまではディフェンダーでしたが高校2年の時にボランチにコンバートされました。 高校時代はほぼレギュラーとして試合にでることができました。 最後の1年はキャプテンを任されました。 キャプテンは大変なことが多かったです。 下の学年のメンバーが言うことを聞いてくれなかったりしたので、最初は怒鳴ったこともあったのですが、 厳しいことばかりではいけないと自分で気が付いてから、メリハリをつけて注意するようにしました。 そうすると、少しずつですが僕の言うことを理解してくれるようになりました。 キャプテンをすることで、とても良い経験をさせてもらったと思います。 高校のクラスでも友人がいて楽しかったです。 でも、勉強は相変わらず嫌いだったので成績はあまりよくありませんでした。 高校3年生の時から進学に向けての準備をする必要があったので、アルバイトを飲食店で始めて20万円程度貯金することができました。
中学の時に職場体験があり、保育園に行ったときに、子どもたちから慕われたり、一緒に体験で訪問した友達4人の中で一番よかったと先生から褒められたことがきっかけで、保育系の仕事に就きたいと思うようになりました。 その時から、保育士になるには進学したほうがいいだろうなと考え始めて、進学を意識するようになりました。 施設の子どもたちの大半は就職するのですが、保育になりたいと思って職員さんに進学したいと相談したときに 応援してくれたので、進学することを決意しました。 学校選びの決め手になったのは、数か所見学したときに、先生と生徒の距離が近くて楽しそうだったので今の学校に決めました。
児童養護施設に入ったきっかけは、父の暴力です。 暴力の原因は、僕が悪いことをしたり、家の手伝いをしなかったことです。 悪いことをすると、そのたび父から殴られてました。 ひじの関節を脱臼したり、あごの骨が外れたりしたこともあります。 ある時、鼻をなぐられてから痛くて、なかなか治らなかったときに先生が心配してくれて児童相談所に連絡をしたことがきっかけで一時保護所に入ることになりました。 一時保護所からしばらくして、卒業まで過ごすことになった児童養護施設に入ることになりました。 最初は不安なことも多かったですが、 本音は家で暮らしていたら高校へいけるかどうかもわからず、辛いことがおおかったのでホッとしたというのが正直な感想でした。施設の子どもたちや転校先の中学校ではすぐに友達ができてなじむことができました。 僕が施設に入ったときは、姉も父からの暴力を受けていたので同じ施設にはいると思っていましたが、姉は違う施設にはいりました。理由はわかりません。
施設での暮らしを、いやだと思ったことはありません。 子ども同士のけんかや、小さい子がうるさいと思ったことはありましたが、家でくらしているときよりは安心して過ごすことができました。 施設で暮らしているということは学校で仲の良い友達には伝えていました。 施設の後輩には、「施設の職員さんのいうことは聞いたほうがいいよ」とアドバイスしてあげたいです。
小学4年の時に父と母は離婚しました。 もともとおじいさんの家に、伯父、叔母、父、母と住んでいました。 離婚の原因として、母は父の親戚との大人数の暮らしがつらかったのだと思います。 僕自身は家の家事全般をしなければならなかったので、しんどいことが多かったです。 おばあさんが唯一僕の味方でしたが、突然おばあさんが出ていくことになってから一緒に暮らすことができなくなり、味方がいなくてより辛いことが増えました。 父と母は離婚はしていますが、今は一緒に暮らしていて、僕が施設にはいってからも半年に一度くらいの頻度では会っていました。 今は親を怨む気持ちはありません。一緒に暮らそうといってくれますが、親には甘えずに生きていきたいので、これからも一緒に暮らすことはないと思います。 天気の悪い日などは、虐待を受けたときの傷が痛むことがあって、あの時のトラウマがないというわけではありませんが、親子関係は昔より良くなっています。 最近も父と伯父と会う機会もあり、今後は親戚同士で会うこともあると思います。
将来の目標 今の目標は保育士になることです。 そのためには、まず学校を卒業すること。 学校を卒業して、保育士免許をとって就職して、いい先生になりたいです。
最初は恥ずかしがり屋の、おとなしい男の子だという印象でしたが、話を始めると持ち前の明るさもあり、積極的に自分のことも話してくれました。 子どもと遊ぶのが大好きだというだけあって、良い先生になれる学生さんだと感じました。
2年間専門学校に通いながら、アルバイトとの両立は大変だと思いますが、自立支援ホームの職員さんの支援もあり生活面はサポートしてもらえる環境にいます。 2年間の専門学校生は2年という短い期間に勉強と卒業後のことを考える必要があります。卒業してから独り立ちの準備として100万円程度のお金が必要となります。 彼の夢をかなえるために、皆様のご支援をお願いいたします。
(簡易版)
(詳細版)
支援者様への報告 毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります 数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)
職員Aさん
本児とは隣接する児童養護施設に入所しているころから関わりがありました。
そのころから年下の子の面倒見が良く優しいお兄さん的存在で年下の子からもとても慕われていました。そんな彼が保育士になることを志したときは彼にぴったりなお仕事だと感じました。
春から自立援助ホームに入所と同時に専門学校に通い始め、居住地や生活する周囲の環境も一変し大変だったとは思いますが、弱音を吐かず明るく振舞い、生活費やホーム費を支払う為のバイトと学校の両立を頑張っていました。
退所まで約1年半ですが徐々に自立の為の貯金も必要です。しかし今後益々現場実習等で忙しくなることが想定されます。
本児が安心して学業に励めるよう、皆様からの応援とご支援を是非ともよろしくお願いいたします。
職員Bさん
自立援助ホームに入所して3か月ほどたちますが、誠君は専門学校に通いながらバイトを2つ掛け持ちで行なうなど、自立に向けて頑張ろうとする気持ちが強いお子さんだなと感じています。現在、保育系の専門学校に通っているのですが、児童養護で生活していた時から小さい子からも人気があったので、良い保育士さんになれると思っています!
自立援助ホームを退所する1年半の中で、今の生活を維持しながら貯金をしていかなくてはいけません。しかし、学校ではこれから実習なども始まっていき、バイトのシフトを減らさないといけない時期も出てきます。
少しでも余裕をもって、彼の『保育士になる』という夢を目指せるよう皆様からの温かい支援を是非ともお願いしたいと思っています。
宜しくお願いいたします。
職員Cさん
誠さんは、明るく素直で努力家。そしてなによりも、子どもに対しての愛情が溢れています。
以前から保育士になるという強い意思を持ち、夢に向かって着実に歩む姿は職員としても、いち大人としても尊敬しています。 また人懐っこ性格で周りの雰囲気を明るくすることができる力もあり、子どもからも大人からも大切にされる存在です。 この先もたくさんの人と出逢い、たくさんの幸せを共有して過ごしてほしい。 そしてもっともっと自分の世界を広げて成長してください。 応援しています。
みらいこども財団では「貧困や虐待についての現状」「児童養護施設の現状と課題」「みらいこども財団の活動内容」について詳しくお伝えするオンラインセミナーを定期的に開催しております。まずはお気軽にご参加ください。
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児童養護施設の子どもたちを支援するには長期間にわたっての支援が必要不可欠です。 現在、児童養護施設に入所する子どもは低年齢化、さらに長期化しております。 1歳から乳児院に入り、18歳で卒業するまで児童養護施設で暮らす子どもが増えています。 そのような子どもたちを長期間支援するために、サポーター会員として継続的寄付をお願いいたします。
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遺言に基づいて特定の個人や団体に資産を分け与えることを「遺贈」といいます。 遺言書の内容により、受取人やその内容を指定することができます。 一部またはすべての財産の受取人として一般財団法人みらいこども財団をご指定いただくことで、日本で貧困や虐待で苦しんでいる子どもたちの支援や奨学金としてご支援いただけます。
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みらいこども財団は、内閣府が主宰する「子供の未来応援基金」の支援を受けています。 子どもたちに寄り添って草の根で支援活動をする団体として、第4回未来応援ネットワーク事業に採択されました。
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