〇19歳 男性 (埼玉県出身) 〇父・母・2人の兄と双子の弟の6人家族のもとに生まれる 〇5歳から小学校4年生までと中学校3年生から卒園するまで児童養護施設で暮らす 〇2022年4月から4年制大学に進学 〇大学ではアルバイトをしながら社会福祉を学び、児童福祉士を目指している 〇目標:虐待などで将来を諦めている子どもたちに、自分自身の経験を伝えることで、希望を与えられる児童福祉士になりたい
長所はやると決めたことは最後までやりきることです。 家庭環境から勉強できる時間がなく、中学校3年生で施設に入所したときは分数もわかりませんでした。 入所後は、三食ご飯が食べられて勉強ができる環境に感謝し、自分も変わろうと一日中勉強をして高校に進学することができました。 苦手だった数学も、当初はテストで10点くらいだったのが、受験前には80点くらい取れるようになり、得意科目になりました。 短所は、興味がないことには手を抜いてしまうところがあります。 今後は、やりたくないことも頑張れるようになりたいです。
父・母・2人の兄と弟の6人家族のもとに生まれました。 父親の虐待が原因で5歳から小学校4年生まで弟と一緒に施設で過ごしました。 あまり記憶にはないのですが、夜通したったままで寝かせてもらえなかったことを覚えています。 施設に入る前の一時保護所では、職員さんからお母さんといつか会えると聞かされていたので、施設に入ることが決まったときは、もうお母さんと会えなくなると思ってとても不安な気持ちでした。 でも施設にはすぐになれることができて、サッカーをしたり水泳をしたり、毎日友達と一緒に遊んでばかりで小学校時代は、わんぱくでいつもいたずらをして怒られていました(笑)。 児童養護施設に理解のある地域で、よく言われる周りからの差別などは一切ないとてもよい施設でした。 その後、母と父が離婚をしたことや、職員さんからももう大丈夫だからと言われて小学校4年生で家庭に帰ることになります。 しかし、家庭復帰した翌日から家族からの虐待が始まりました。 主に母と兄からの虐待があって、母も家にいないことも多く、 男兄弟4人で、母からは月3万円だけ振り込まれて、それだけで生活をするという状況で、ほとんど食事もできないという環境でした。 兄弟すべて父が違っていて、兄も父から虐待を受けていたこともあり、自分たちだけ施設で守られて生活をしていることに対して理不尽な思いが積み重なっていたのかなと思います。 毎晩暴力の虐待を受けるようになってから、夜、家で寝ることが怖くて学校でしか寝ることができなくて 勉強も遅れる一方で、お弁当の日は100円均一の二個入りのパンだけを買って食べるという生活で、施設から家庭復帰してからのほうが他の子どもとの違いを感じて劣等感にさいなまれていました。 学校の先生から見ると、家の状況はわからないのでただのグレている子どもだと思われていたと思います。 小学生のときは、誰かに相談するという考えもなく、ひたすら耐えることだけを考えていました。 毎日学校から帰ると、絶対に暴力をふるわれるとわかっているのに、帰るのはこの家しかないという状況で、家の玄関を開けることだけで何時間も迷った挙句にやっと家に入るという生活を2年間くらい過ごしました。 その時が一番つらい時で、毎日今日死ぬかもしれないと思って過ごしていました。
家庭にいたときは、日常的な虐待や生活の困窮により、三食食べることもできない生活を送っていました。 学校には行っていましたが、安心して寝られる場所がなく、授業はほとんど寝ていて、勉強は学年ビリがあたりまえでした。 とにかく普通になりたかったです。友達との違いばかりを感じて劣等感の塊だったような気がします。 親友から救われたこともあって、友人はなんとなく家庭環境を知っていたので自分一人にさせないようにしなくちゃと思っていたということを聞きました。 小学生の時よりはましでしたが虐待は続いていて、中3の時に決定的に命の危険を感じた出来事があり警察に保護してもらうことを決意しました。 その後一時保護所を経由して小学校の時にお世話になった施設に入ることができました。 その時に初めて当たり前のようにご飯がたべれて、勉強ができて、夜寝れることに感謝しました。 中学校3年生で施設に入所し、落ち着いた環境で生活することができ、自分を変えようと学級委員長になり、 学級委員長が分数ができないのはあり得ないと思って、どんなことでも恥ずかしがらずに聞いたり勉強も一日中頑張りました。 そのおかげで今まで10点しかとれなかった勉強も最終的には平均70から80点とれるようになりました。 普通の生活ができて、やりたいことができる環境が本当に楽しかったです。 無事高校にも進学でき学級委員はつづけて、中学校ではやりきれなかった部活を頑張りたいと思い、バトミントン部に入りました。 部員が100人程いる中で、大会に出られるのは8名。バトミントンは初心者でしたが、毎日、学校、部活、アルバイトを頑張り続けて、大会選手に選ばれました。 週7日、一日も休みなく部活で活動した後は、アルバイトは多い時で10万円以上稼いて、施設に帰ってきてから日付がかわってから筋トレを行うという生活を送っていました。 自分では頑張ったという意識はなくて、やりたいことを全力でやっているだけなので本当に楽しかったです。 自分自身の経験から将来は児童福祉士になりたいと思い、大学受験の勉強も頑張り、第一志望に合格することができました。
5歳から小学校4年生までと中学校3年生から卒園まで施設で暮らしました。 普通の暮らしができることの有難さを感じていたので、施設にいる時は本当に楽しかったです。 小学3年生の時にお別れした友達がみんな歓迎してくれて、職員の方もお兄ちゃんのような存在で、塾に行きたいと言えば通わせてくれたり、自分のやりたいことを応援してくれて、可能性を信じてくれる環境でした。 今まで憧れていた当たり前の生活があることに心から感謝することができて、その時に自分を変えようと思わせてくれたことが今の自分につながっていると思います。 私立の大学を受験するのは施設で初めてでしたが、予備校に通わせてくれるなどあたたかいサポートをしてくれて、本当に感謝しています。
自分の中での普通の人生というのは大学に進学することでしたので、施設に入って分数ができないのにも関わらず進学することは心に決めていました。 辛い環境でも、頑張れば周りの人が支えてくれて、自分のやりたいことができるという自分自身の経験から、未来を諦めている子どもたちに希望を与えたいと思っています。 周りのいろいろな人や福祉に救われて生きてきたので、自分よりもっと厳しい環境で暮らしている沢山の子どものために、自分が良い前例になることで自分自身の未来を諦めてしまっている子どもたちのためになるために、大学では社会福祉を学び児童福祉士になりたいと思い、大学進学を決めました。 どうしても目標の大学に入学したかったので、先輩も誰も行ったことのない大学で合格するまでは厳しい制限もありましたが乗り越えることができました。
いまだに虐待の経験をふっとフラッシュバックすることがあって、夜寝れないこともありますがそれは一生消えないのだと思います。 母に対しては、なぜこんなことになったんだと思うことありましたが、女手一つ、男4人兄弟を育てるのは大変だったと思います。暴力をしたくてしたんではないし、どうしようもない状況だったのだと理解することができます。今はお母さんに会いたいとは思いませんが、もし今後、お母さんと話すことがあったら、当時のしんどさをわかってあげられなかったことを伝えたいと思います。
道がないところを進むのは怖いけれど諦めないで。 施設で初めて私立の大学を第一志望にしましたが、自分の頑張りと周りのサポートがあり、合格できました。 頑張りを認めてくれて、サポートしてくれる人がいます。 自分のやりたいことを諦めないで頑張ってほしいと思います。
職員さんには恩返しをしたいです。 今は機会を与えてられている立場なので、児童福祉士になったら、自身の経験を活かして、子どもたちにきっかけを与えられる大人になりたいです。
悠斗さんは過酷な環境の中でも耐えて、やりたいことをやる熱意のある若者です。 当たり前の生活の有難さを身にしみてわかっており、周りへの感謝の気持ちも忘れず、謙虚にたくましく自分の道を進んでいる姿が印象的でした。 辛い状況にいる子どもたちへの想いが人一番強い悠斗さんの夢を応援したいと思います。 皆さま、ご支援をよろしくお願いいたします。
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