〇19歳(インタビュー時) 男性 (関東地区生まれ) 〇父・母と3人家族で一人っ子 〇幼少期は祖父と祖母と暮らすようになるも小学3年から父が再婚し親子3人で生活を始める 〇虐待が原因で警察に保護され、その後児童養護施設で暮らす 〇2025年4月から建築の専門学校に進学し設計士を目指す
最大の長所は、誰とでもすぐに仲良くなれる社交性があることだと思います。新しい環境や外国人とも積極的に交流し、SNSを通じて外国人と知り合い、実際に会ったり食事に行ったりするほどフレンドリーな性格です。英語は話せないんですがコミュニケーションが好きで、身振り手振りで会話するほど積極的です。
また自分で決めたことをやり遂げる粘り強さもあると思います。家庭の事情で施設に入る際には自ら警察に相談しに行ったり、英語をもっと話せるようになりたいと英検3級まで取得したりと、行動力はある方だと思います。
一方、短所としてはゲームなどで思い通りにいかないとイライラしたり、負けず嫌いな性格が自分の良くないところです。
趣味は野球観戦で、巨人ファン。元々は日ハムから巨人に移籍した陽岱鋼選手のファンだったことから巨人を応援するようになりました。今も年に数回は東京ドームや横浜スタジアムに足を運んでいます。
また、漫画やアニメが好きで、特にジャンプを毎週購読するほどです。最近のお気に入りは「カグラバチ」で、これから日本でもブレイクすると思っています! ゲームも好きで、スマホでは『ポケモンスリープ』『プロセカ』、スイッチでは『モンハン』『ポケモン』を楽しんでいます。
音楽では米津玄師やKing Gnu、最近では洋楽のテイラー・スウィフトもよく聴きます。
春からは建築設計を専門とする学校に進学予定です。小さい頃から建築に興味を持ち、小学校高学年の頃には建築士を目指していました。この春から進学する学校を選んだのは、最先端の授業を受けたいという意欲からです。
生い立ちは複雑で、物心つく前に母が亡くなってしまい、幼少期から親元を離れて祖父母と暮らしていたので、母のことは記憶にないです。 小学3年生で父親が再婚してからは新しい母親と父親と暮らすことになり新しい生活が始まりましたが、しばらくすると新しい母親からの暴力を受けるようにな里ました。それに乗じて、父からの身体的虐待も始まりました。 その当時のことははあまり記憶にないのですが、家に帰ると部屋に監禁されて無理やり勉強をさせられていた記憶しか残っていません。このことはまわりの友達や大人にも相談すらできませんでした。 小学校では毎日サッカーをしたり友達と一緒に遊んで楽しかったですが、家に帰るのがつらくて仕方がなかったです。
中学生時代は野球部と迷いましたが、吹奏楽部に所属してパーカッションを担当していました。 先輩から誘われて生徒会に入って学年代表になるくらい、少し目立ちたがりの子どもでした。 小学校の時と同じで、学校は楽しかったのですが、家に帰ると全く自由なく、親からの暴力はなくなりませんでした。その頃には部屋に監視カメラまでつけれていました。 中学3年生の5月くらいの時、あまりの辛さに警察に逃げ込み、家には帰れないと警察官の方に相談した結果、一時保護所に入ることができました。 その当時のことは実はあまり覚えていませんが、家に帰らなくて済むということで安心したことだけ覚えています。 一時保護所では初めてマンガやアニメをみるという経験や、保護所の他の子どもたちとも楽しく過ごしました。今までの生活に比べると天国のような生活で、保護所では中学校卒業前の3月まで暮らしていました。
それから4月には児童養護施設に入ることができました。一時保護所では学校に行くことができなくて、ほとんど勉強ができなかったこともあり、高校に入学できるか心配していましたが、小学生の時から勉強以外したことがなかったのでブランクはありましたが無事入学できました。
施設での暮らしは毎日3食ご飯を食べられること、自分の時間を確保できることが一番うれしかったです。 高校では今までの反動で勉強はあまりしませんでしたが、友達もたくさんできて思い切り遊ぶことができて楽しく過ごしていました。 アルバイトはラーメン屋で、休みの日に開店から閉店まで働いて、夏休みには18万円くらいのお給料をもらうこともありました。 お給料はマンガやゲーム、野球観戦のチケットに使っていて、ほとんど残りませんでした。 文化祭や修学旅行も中学生時代はコロナ禍で行けなかったので、とてもよい思い出です。 施設での暮らしについて、施設の他の子どもたちは学校では隠していたようですが、僕は友達には施設で暮らしていることを話していました。 施設職員さんはとても優しくて、進学についても色々とサポートしてくださり、 職員さんには恩返しとして、いつか自分が稼いで、食事をごちそうしたいと思っています。
施設を卒業する前に4年ぶりくらいに父と今後のことについて話をする機会がありましたが、そのときに父からは一人で自由にしたらいいといわれました。 これからも親とは会いたいとは思いませんし、一緒に暮らすことはないと思います。
設計士を目指すきっかけは、マインクラフトというゲームです。小さな頃からゲームの中で、街を建てたり外観を工夫したりしていた経験から、世界で有名な建物を自分で建てたいとぼんやり考えていました。 進学については小学生くらいから、建築系の学校に行くということも決めていました。 施設での進路相談でも、職員さんには進学する意思をはっきりと伝えていたので、進学についての奨学金などの手続きで応援してくださいました。 専門学校に入ったら設計を学んで、世界で働ける資格を取得して海外で働くことが夢です。 資格を取得するには英語が必要なので、少し生活が落ち着いたらオンラインで英語学習を始めるつもりです。 身近に世界で活躍している画家がいるので、その人を目標にして頑張りたいです。
施設にいるからと言って遠慮することはないから、自分の好きなことをやってほしいです。 僕も頑張って夢を叶えるから、みんなも夢や目標を持ってほしいと思います。
職員様から聞いていたとおりのコミュニケーション能力の高い学生さんでした。 小さなときから自分の目標を持ち、自分から積極的に行動できる壮志君は日本ではなく外国でも仕事をしたいと言っているように、海外で活躍できる人材だと感じました。 辛い時期を乗り越えて、夢に向けてチャレンジする壮志君をどうか応援してあげてください。
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支援者様への報告 毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります 数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)
職員Aさん
立派な建築家になるために、今学校と自分の生活を一人暮らしをしながら両立頑張っているね!18歳で自立して自分のことは自分でやっていくというのは、なかなか大変だよね。
心が折れそうになる時もあると思うけど、学校卒業に向けて周りの大人達は応援しているよ!立派な社会人になりなさい。
いつでもご飯食べにホームに帰っておいで。
ファイトー!!
職員Bさん
専門学生はいろいろと詰め詰めで勉強もバイトや遊びとの両立も大変だと思うけど、今の時点で進む方向性を思い描けているのは素晴らしいことだと思います!
卒業、就職に向けて頑張れ!応援してるよ!
また時々ご飯や遊びにいこうね!
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児童養護施設の子どもたちを支援するには長期間にわたっての支援が必要不可欠です。 現在、児童養護施設に入所する子どもは低年齢化、さらに長期化しております。 1歳から乳児院に入り、18歳で卒業するまで児童養護施設で暮らす子どもが増えています。 そのような子どもたちを長期間支援するために、サポーター会員として継続的寄付をお願いいたします。
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遺言に基づいて特定の個人や団体に資産を分け与えることを「遺贈」といいます。 遺言書の内容により、受取人やその内容を指定することができます。 一部またはすべての財産の受取人として一般財団法人みらいこども財団をご指定いただくことで、日本で貧困や虐待で苦しんでいる子どもたちの支援や奨学金としてご支援いただけます。
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みらいこども財団は、内閣府が主宰する「子供の未来応援基金」の支援を受けています。 子どもたちに寄り添って草の根で支援活動をする団体として、第4回未来応援ネットワーク事業に採択されました。
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