目標金額 支援者一人あたり 12万円/年 × 2年間  募集人数 7人

山本航介さんのプロフィール ※本人が特定されないよう個人情報に多少の修正を加えています。

◇20歳 男性
◇長野県生まれ、父、母、航介君の三人家族。
小学6年生の時に児童養護施設に入り、卒業までを施設で過ごす。
◇現在は東京の大学の工学部3年生。
◇プログラミング、電気回路、半導体などを学んでおり、卒業後はIT企業でシステムエンジニアとして働くことが目標。
◇趣味:アニメ、ゲーム。音楽を聴くことも好きで幅広いジャンルの音楽を聞いている。

 

自分自身のこと

自分の長所はいろいろなことに興味をもっていて、視野が広いところです。特に人が何を考えているのかということに興味があります。
短所は人より要領が悪いところです。しかしそのおかげで、時間をかけて物事に取り組むことが苦にならなくなりました。
人に対して興味はあるものの、人によって関わるときに気にしすぎてしまうこともあり、自分から積極的にはなれないこともあります。

 

航介さんの生い立ち

私は、父と母との間の長男として三人家庭に生まれました。私の小学生時代はとてもおとなしい子供だったようで、欲しいものがあっても親にねだることはなかったそうです。
小学生になってから、サッカーや空手を習っていたのですが、小学2年生の時に父と母が離婚をしたことで違う土地に引っ越してからはスポーツはせずに友達ばかりと遊んでいました。
友達がとても多いという子供ではありませんでしたが、虐めにあったことも人を虐めたこともありません。
小学3年生の時に父が再婚をしました。
新しい母には子どもがいましたので、父と私と義理の母、姉の4人家族で暮らすことになりました。
それからしばらくして母とうまくいかない時期が続くようになりました。
新しい母からは、暴力を受けたり、ご飯を食べさせてもらえなかったり、自分の部屋から出てくるなと言って閉じ込められたこともあります。
そのような時期が数年続き、ある時小学校の担任の先生が「どうしたの?」と声をかけてくれました。あとからお聞きしたのですが、私が絶えず怪我をしていたり、家ではほとんど食事を出してくれなかったため、私の給食を食べる量が半端なかったりしたので気になっていたということでした。
担任の先生の助けで児童相談所に相談することになり、担当の方とも色々話した結果、児童養護施設に入るという決断をしたのは小学6年生の時でした。
初めて入る児童養護施設には30人くらいの子どもがいて、施設にも転校先の小学校にもすぐになじめました。いつも周りには友達がいたり、グラウンドで遊んだりと、家にいたときより楽しい生活を送ることができました。
その時に、我慢せずにもっと早く周りの人に相談していればと思いました。

 

中学校・高校時代

中学校に入ってからは仲の良い友人に誘われて野球部に入りました。最初はルールが複雑であまり好きではなかったのですが、中2くらいから施設で野球好きの先生と練習するようになってから野球が楽しくなってきました。
弱小野球部でしたがレギュラーでサードやセンターを守っていました。
努力して試合で勝った時に仲間と一緒に喜びあえることが、とても楽しいと感じるようになっていました。
その時が一番充実していたような気がします。
高校は目標である地域の進学校に合格することができました。
高校生活は今までで一番、楽しかった思い出がたくさんできました。
文化祭や体育祭などクラスの全員で騒いだり、クラスでは目立つ方ではありませんでしたがとても楽しかったです。

 

進学を決めた理由

大学に施設から進学する子どもは少なかったのですが、自分はなぜか大学に行くのが当たり前だと考えていたので、高校進学する前に職員さんと話をして、部活に入らずに近くのスーパーでアルバイトをすることに決めました。
お金がないことは分かっていたので、できるだけ稼いでおきたかったのが理由です。
職員さんが協力してくれたおかげで奨学金をもらうこともできました。
大学生活のほとんどはコロナの影響でリモートが多く、勉強に関しては充実していますが、キャンパスライフは充実しているとは言えないので卒業するまでに旅行に行けたらと考えています。

 

児童養護施設での暮らし

児童養護施設での暮らしは毎日がにぎやかで、嫌な思い出はほとんどありません。
子どもも職員さんも、みんなが仲の良い施設でした。
今でもお盆と正月には地元に帰るたびに施設にも寄り道して職員さんと話をしています。
私が進学できたのも施設のおかげだと思っています。
その理由は父からは進学についての援助はできないと言われていたこともあり、実家で暮らしていたら進学はできなかったからです。
私もそうですが周りには施設でしか暮らせない人もいます。
その人にとってどこで暮らすことが正解なのかは分かりませんが、我慢して家で暮らすよりは違う環境で暮らすことも考えてみてほしいと思います。
施設では塾に行かせてもらったり、学習ボランティアの人に教えてもらえたりと勉強できる環境があります。自分次第で何とでもなるから、後輩にも頑張ってほしいです。

 

両親に対しての想い

産みの母とは、父と離婚をしてから全くあったことがなかったのですが、大学に入学する前に一度アパートの書類にサインをしてもらう必要があり、職員さんが連絡を取ってくださって会うことになりました。
その時、お母さんはこんな顔だったんだという印象で、施設で暮らしていた時間が長すぎて正直実感が湧きませんでした。
父とは施設に入ってからはずっと会っていなくて、高校3年生の時に施設で面会をしました。
その時の印象も自分の父だという実感は持てませんでした。
正月に地元に戻るときは実家に顔を出していますが、今は家に帰りたいとは思っていません。
結局は父と母と自分の性格があっていなかったんだと思っています。
私は施設で暮らせたから伸び伸びとできましたし、みんなにとって私が施設で生活することが良かったんです。

 

航介さんの夢

将来の夢は卒業してIT企業に就職してシステムエンジニアになることです。
今でも自分でプログラムを考えて動いた時が楽しくて、それから今ではWEBではなくて機械を動かすSEになりたいと考えています。
将来は地元に帰って幸せな家庭を作ることが夢です。
都会で暮らすことも良いですが、離れて地元の良さを感じることができました。

 

みらいこども財団・スタッフの感想

航介君は落ち着いていて、インタビューでも一言ひとこと考えてしっかりと答えている印象を受けました。
誠実な人柄であり、周りの人には流されずに、しっかりと努力を続けていける若者です。
残りの学生生活は短いですが、残された期間を精一杯いろいろなことにチャレンジしてほしいと思いました。
どうか皆様ご支援をよろしくお願いいたします。

 

資金計画

(簡易版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(詳細版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支援者様への報告
毎月みらいこども財団よりメールで近況報告を送ります
数ヶ月に1回Zoom報告会を開催します(本人出席)

航介さんを応援してほしい理由

職員Aさん

航介君の魅力は常に明るく優しくて、人懐っこいところだと思います。実際に退所後に施設に遊びに来た際には航介君の周りにたくさんの人が集まり、笑顔になっている姿をよく見かけます。航介君は、私が担当になる前から「将来はIT系の仕事をしたい」「俺は社長になる」と話をしており、「俺が社長になったらお姉さんに何でも買ってあげるよ」と冗談でも言ってくれたことが嬉しかったことを覚えています。施設に入所中は、勉強とアルバイトの両立をとても頑張っていました。大学に進学後はコロナウイルス感染症の流行もあり、なかなか航介君が思い描いていたキャンパスライフとは異なっているかもしれません。しかし、そのような状況でも自分のやりたいことや目標に対しては何事にも一生懸命に頑張る航介君です。航介君が夢を実現する事が出来るよう、どうか皆様のお力を貸していただきたいです。宜しくお願い致します。

 

職員Bさん

彼と初めて出会ったのは彼が中学3年生の頃でした。第一印象は優しくて真面目で何事にも一生懸命に取り組む子でした。6年経った今もその印象は変わりません。彼の受験を2回見届けましたが、大人から言われるのではなく自ら勉学に励み志望校に進むことができていました。それから彼は施設職員と話すことが大好きで、夜勤の度に事務所へ訪れてくれました。時には日付を越してしまうほど話し込んでしまうこともありましたが、どの職員も彼が相手だからこそ話相手になっていたんだなと改めて思っています。職員にだけでなく、年下児童などの他児にも優しく、時には厳しく接してくれて本当に感謝しています。これからも自分の将来のために頑張ってください。いつまでも味方ですし、応援してます。

 

職員Cさん

航介さんの人柄は明るく、周囲を和ませてくれる存在です。中学では野球部を3年間、高校では成績を維持しつつアルバイトを3年間やり続けるなど継続して物事を行うことができる児童でした。また、高校3年生の進路決定する際は意欲的に自分の将来について行動することが出来ており、大学見学や勉強などに励む姿が見られていました。また大学へ進学した後は一人暮らしという慣れない環境の中で自分の芯をしっかり持ち、周りの友人の力も借りながら学業と一人暮らしを上手に両立することができていました。施設職員に対して過度に頼ることはなく、自分で出来ることは自分でやり、頼るところは頼ることができていました。意外とこの線引きが施設に入所している児童は難しいのですが本人は上手に施設を頼ってくれており、時折頼ってくれた際は施設側が余計なお節介までしそうになるほど応援したくなる児童でした。これからどんな将来を歩んでいくのか心配になる児童も多い中、航介さんはそんな心配をせず、むしろ期待させてくれる存在です。皆様からの応援宜しくお願い致します。

 

職員Dさん

彼はとても素直な性格の持ち主です。施設ではいつも明るく、他の児童だけでなく職員まで笑顔にしてくれるような児童でした。年下の児童からも慕われており、時折施設に顔を出しに来た際は入所児童も大喜びです。また明るい性格だけでなく、まじめな性格も彼の良い所です。普段はふざけることも多いですが、やるべき時はしっかりやる真面目さを持っています。高校3年生の時も大学受験に向けて一生懸命勉学に励んでいました。とにかく愛嬌があり皆から慕われている彼なら、この先どんな壁も乗り越えて行けると
思っています。施設職員は今後も応援しています。

職員Eさん

フレンドリーで頼もしく、周りを笑顔に巻き込む明るい性格の持ち主の航介くん。物事に真面目に取り組み、誰とでも穏やかに接する姿から、共に生活する児童からも厚い信頼を得ていました。高校では勉強に励み、また自身の将来のためにアルバイトもこなし、忙しくも充実した日々を送っていました。また施設での生活を肯定的に捉え、前向きに挑戦していく姿がとても印象的です。これからも周囲の人への感謝を大切に、航介くんらしく歩んでいってください。応援しています。

 

 

 

 

 

 

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