コラム

社会的養護について知ろうvol.5「社会的養護とは?子ども達が暮らす施設など」

2024年06月21日

社会的養護について知ろう vol.5

 

\社会的養護とは?子ども達が暮らす施設など/

 

こんにちは、みらいこども財団スタッフの大谷です☺

毎週金曜に社会的養護に関するあれこれを発信していきます。

私自身も日々学びながらですが、ご参考になれば幸いです!

 

 

さっそくですが、みなさん「社会的養護」とは何かご存知ですか?

 

このブログを見てくださっている皆さんはきっと、よくご存じだったり、すでに具体的なイメージをお持ちかもしれません。

私はというとなんとなくのイメージは持っていたものの正しく理解しておらず、ボランティアや仕事で知らない言葉に出会っては「何だろう⁉」と調べていました(お恥ずかしいですね、そして今でもまだ勉強中です!)

 

今日は改めて「社会的養護とは何か?」について、そもそもの定義や理念、社会的養護を受ける子ども達が暮らす(もしくは通う)施設などについて解説します。

困っている子どもたちのために何か役に立ちたいと思った時、実際にボランティアを始める時にきっと役立つと思います。

 

社会的養護の定義と理念

国は「社会的養護」を以下のように定義しています。

社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。

社会的養護は、「こどもの最善の利益のために」と「社会全体でこどもを育む」を理念として行われています。

(出典)こども家庭庁ホームページ「社会的養護」社会的養護とは、より

 

 

社会的養護に関わる施設6つ+里親・ファミリーホーム

社会的養護に関わる施設は6つあり(児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、自立援助ホーム)、いずれも児童福祉法で定められています。

なかでも私たちが支援させて頂いている「児童養護施設」は最も数が多く、全国に610施設、約2万3千人の子ども達が暮らしています。

それぞれの施設の概要と、設置数、在所している子ども数を記載します。

 

児童養護施設

610か所、現員23,008人

保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設。(児童福祉法より)

 

乳児院

145か所、現員2,351人

乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む。)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。(児童福祉法より)

 

児童心理治療施設

53か所、現員1,343人

家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となつた児童を、短期間入所させ、又は保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。(児童福祉法より)

 

児童自立支援施設

58か所、現員1,103人

不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。(児童福祉法より)

 

母子生活支援施設

215か所、現員3,135世帯児童5,293人

配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。(児童福祉法より)

 

自立援助ホーム(児童自立生活援助事業)

317か所、現員1,061人

義務教育を終了した満20歳未満の児童等や、大学等に在学中で満22歳になる年度の末日までにある者(満20歳に達する日の前日に自立援助ホームに入居していた者に限る)であって、児童養護施設等を退所したもの又はその他の都道府県知事が必要と認めたものに対し、これらの者が共同生活を営む住居(自立援助ホーム)において、相談その他の日常生活上の援助、生活指導、就業の支援等を行う事業です。(こども家庭庁ホームページより)

 

里親・ファミリーホーム

施設以外にも社会的養護を受ける子どもが暮らす場所として里親とファミリーホームがあります。より小規模で家庭に近い環境で子どもを養育しています。
里親は里親家庭に子供を最大4名まで受け入れるもの、ファミリーホームは里親家庭が大きくなったイメージで最大6名の子供を受け入れます。

 

ファミリーホーム数 446か所
ファミリーホーム委託児童数 1,718人

委託里親数 4,844世帯
里親委託児童数 6,080人

 

 

(出典)
こども家庭庁ホームページ「社会的養護の施設等について」
児童福祉法(e-Gov)
資料集「社会的養育の推進にむけて(令和6年6月)」(こども家庭庁)5ページ(数値)

 

 

目指す方向性

日本では長く社会的養護=施設養護でしたが、今ではより家庭に近い形での養育を目指しています。

具体的には里親やファミリーホームへの委託を増やし、施設でもできる限り家庭的な環境で安定した人間関係の下で育てることができるよう、6名までのグループ単位で生活する施設のケア単位の小規模化(小規模グループケア)やグループホーム化などを推進しています。

里親・ファミリーホームで暮らし子どもの数は2021年度には7,798人と、2011年度の1.6倍になっています。

 

(出典)
児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進について 平成24年11月30日(厚生労働省)
資料集「社会的養育の推進にむけて(令和6年6月)」(こども家庭庁) 8ページ

 

最後まで読んでくださりありがとうございます!

次は「社会的養護に関わる機関~児童相談所など~」について詳しく取り上げます!

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