みらいブログ

社会的養護を知ろう ④児童養護施設、現場からの声

2025年04月25日

みなさんこんにちは!みらいこども財団スタッフの大谷です^^

このシリーズでは毎月1回、社会的養護や児童養護施設について制度や暮らしなどをお伝えしています。

今回は児童養護施設で日々子ども達を支える、施設職員さんの声をご紹介します。

 

✨【現場の声】お金がない。人も足りない。でも、子どもたちの願いは本物

■ どれも大事。でも、全部は叶えられない。

最近は、物価の高騰が本当に深刻です。
食費も光熱費も日用品も、どんどん値上がりしているのに、施設の運営費(措置費)は一円も増えない。

行事や外出、子どもたちが楽しみにしている「ちょっとした特別な体験」も、予算のやりくりでどうにか頑張っています。
でも、「旅行のホテル代が上がって予算オーバー」「好きなキャラクターグッズを買ってあげたいけど我慢」なんていう場面が、日常茶飯事なんです。

“あれもこれも大事”だってわかっていても、優先順位をつけて“あきらめさせる”ことばかり。
それが一番つらいです。

 

■ 子どもたちの“スタートライン”がそろっていない
スマホ一つ取ってもそうです。
中学生の子どもにスマホを持たせたい。でも本体代も通信料もバカにならない。
入所前に蓄えのある子もいれば、入ってきたばかりで何も持っていない子もいる。

だから、一律に配ることもできないし、「順番ね」と言って待ってもらうしかない。

本人にはちゃんと説明しています。
「不公平じゃないの?」と聞かれれば、私たちだって苦しいです。
みんなに同じようにしたい。でも、できない。
それが現場の現実です。

 

■ お金がないと、“未来”も選べなくなる
進学したいと言ってくれる子どもたちがいます。
でも、進学先の入学金、家賃、生活費――お金がなくて夢をあきらめる子が多いんです。

「奨学金があるから大丈夫」と言われるかもしれません。
でも、保証人がいない、卒園してすぐに就職しても安定しない、生活費がギリギリ…
そんな現実を目の前にして、「じゃあ、進学は無理だ」と諦めてしまう子がたくさんいます。

 

■ 衣食住だけじゃ足りない。「体験」だって必要
私たち職員が大事にしているのは、子どもたちの「体験」です。
旅行や外出、習い事、買い物、誰かと楽しくご飯を食べる―そんな時間が、子どもたちの心を育てると思っています。

でも、習い事の月謝が払えなかったり、服のサイズアウトに気づいてもすぐには買いに行けなかったり。
「今は我慢してね」が口癖になってしまいそうで、心が痛いです。

 

■ “人”が足りない。“時間”が足りない。
子どもたちにもっと関わりたい。もっと話をしたい。
でも、人が足りないから、時間も足りない。

行事の企画、書類の作成、保護者対応、行政とのやり取り…。
一人の職員が担う業務量はとても多くて、「子どものそばにいる時間」が後回しになってしまうことも。

特に、虐待の重い背景をもつ子どもたちとは、信頼関係を築くのにも時間がかかります。
その時間をじっくり確保できる体制を、心から願っています。

 

■ 子どもたちが希望を持てる社会にしたい
最近、「どうせ自分なんか」「夢なんかないよ」と言う子どもが増えているように感じます。
その言葉に、どれだけの諦めと寂しさが込められているのか、私たちは痛いほどわかっています。

だからこそ、お金も人も足りないけど、「この子にはちゃんと未来がある」と信じて関わり続けたい。
それが、私たち職員の願いです。

 

(出典:みらいこども財団実施の全国児童養護施設職員様アンケートより。読みやすいように一部修正を加えております。)

 

いかがだったでしょうか?アンケートより一部をご紹介しました。

 

児童養護施設では、1人の職員さんが常時6名程度の子どもを見ています。

児童養護施設に暮らす子どもの約70%に被虐待経験があり、この割合は都市部の児童養護施設ではほぼ100%です。

虐待により人間関係や学力に問題を抱える子が多い中、職員さんは子ども一人一人にゆっくり関わる時間的余裕がどうしてもありません。

思いのある職員さんだからこその、切実な思いがアンケートからひしひしと伝わってきます。

 

 

✨私たちにもできること

18歳になり高校を卒業すると、多くの子ども達が施設を出て自立をします。約5割は就職、約2割が進学を選びます。

初めての一人暮らし、新しい仕事、新しい学校、高校とは全く違う勉強や生活のスタイル…

とてもしっかりしている子どもであっても、躓くことも珍しくありません。

何か躓いたとき、困ったときに、話せる大人がいるかどうかで子供達の未来は大きく変わります。

 

もし児童養護施設の子ども達やその自立に関心をもったら、近くの児童養護施設に何かできることがないか問合せたり、寄付で応援するのも良いかもしれません。

 

みらいこども財団でも、交流型奨学金「オンライン里親」や、児童養護施設訪問ボランティアで、多くの優しい大人が子ども達と関わり支える支援を行っています。

 

みなさんの一歩が子ども達の支えになるはずです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

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