みなさんこんにちは!みらいこども財団スタッフの大谷です^^
このシリーズでは毎月1回、社会的養護や児童養護施設について制度や暮らしなどをお伝えしています。
今回も、児童養護施設で日々子ども達を支える、施設職員さんの声をご紹介します。
✨【施設職員さんの声】“普通”って何だろう? 職員が感じる課題と願い
■ 同じ施設でも“育ちの差”が生まれてしまう
私たちがいつも悩むのは、同じように措置された子どもたちが、施設によってまったく違う環境で育ってしまうということです。
例えば、お小遣いの金額、スマホを持たせるタイミング、スポーツクラブへの加入、進路の選び方、服装や髪型に関するルール、大人との信頼関係――
施設の体制や職員の考え方、組織の方針ひとつで、その子の「日常」はまるで違ってきます。本当は、どの子にも同じように“夢を持っていいよ”と言ってあげたい。
でも現場では、その“夢を持たせるための土台”にすら格差があることを痛感しています。
■ 言葉が届かない、そのもどかしさ
施設に来る子どもたちの中には、自分の気持ちや出来事を“言葉で伝える”ことがとても苦手な子が多いです。
私たち職員が「こういう意味で言ったのに…」と感じることが、子どもにはまったく違う意味で受け取られてしまったり。
逆に、子どもが何を伝えたいのかがわからず、つい注意してしまって反発される――そんなすれ違いは、日常茶飯事です。お互いが分かり合うって、こんなにも難しいのかと、日々感じさせられます。
■ “スマホ世代”との距離感に悩む
中学生でもスマホを持っている今の時代、SNSが子どもたちの生活に与える影響はとても大きいです。
LINE、インスタ、X、TikTok。私たち職員が使ったことのないようなツールを、子どもたちは当たり前のように使っています。その一方で、ネット上でのトラブルや悪影響も後を絶ちません。
友人関係のもつれ、ゲーム依存、個人情報の漏えい、性的な被害…。私たちも「SNSが悪い」と決めつけたくはありません。
ただ、それだけになってしまうのではなく、外の世界、自然、対話、リアルな体験の楽しさも一緒に教えてあげたいのです。
■ 学校になじめない子どもたちを、どう支えるか
不登校の子が増えています。その理由もさまざま。対人関係の難しさ、学力不振、自己肯定感の低さ、心の不安定さ…。
でも、学校に行けなくなったとき、その子に合った「居場所」がまだまだ少ない。
そして施設の中でも、学習を個別にサポートできるほどの人員的余裕がありません。「わかってるよ、がんばろうね」と声をかけながらも、どこかで無力感を抱えてしまうこともあります。
(出典:みらいこども財団実施の全国児童養護施設職員様アンケートより。読みやすいように一部修正を加えております。)
いかがだったでしょうか?アンケートより一部をご紹介しました。
中でも、スマホ世代との距離感については、子育て中の方なら自分ごととして感じられた方も多いのではないでしょうか?
子どもにスマホを持たせるタイミングは、家庭でも施設でも悩ましい問題です。
私自身、小学生の娘にいつスマホを持たせるか、日々頭を悩ませています。これは一般家庭に限らず、児童養護施設でも同じ。どのタイミングで、どこまで許可するかは、施設ごとに対応が異なります。
最近では、国の方針で「措置費の中からスマホ代を出してもよい」と明確にされたこともあり、以前より、中学生からスマホを持たせる施設さんのお話を多く聞くようになりました。
とはいえ、使い方については慎重な対応が求められます。
たとえば最初は、部活動などの連絡に必須のLINEだけを許可し、段階的に他のアプリやSNSの使用を広げていくなど、子どもの成長や状況に合わせて工夫している施設もあります。
それでも現場の声を聞くと、「子どもたちは大人の想像を超えて器用に使いこなす」とのこと。気づかないうちにライバーとして活動し“投げ銭”を受け取っていたり、トラブルに巻き込まれたりするケースもあるようです。
このあたりは、施設であっても一般家庭と同じような課題を抱えているのが現実です。
✨私たちにもできること
子どもと関わり見守る大人が増えることで、施設職員さんの余裕がうまれ、子ども達により良い支援を届けられるようになります。
子ども達を見守る大人の一人になりたいな、と思ったら、近くの児童養護施設に何かできることがないか問合せたり、寄付で応援するのも良いかもしれません。
みらいこども財団でも、交流型奨学金「オンライン里親プロジェクト」や、児童養護施設訪問ボランティアで、多くの優しい大人が子ども達と関わり支える支援を行っています。活動を寄付で応援くださることも、関わる大人の輪を広げる後押しとなります。
みなさんの一歩が子ども達の支えになるはずです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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生まれてきてよかったと子どもたちに思ってもらえる未来をつくるため、私たちは決して諦めません。