みらいブログ

オンライン里親・くりさんインタビュー “オンライン里親が語る、オンライン里親プロジェクト”(1/2)

2025年10月29日

オンライン里親・くりさんインタビュー

“オンライン里親が語る、オンライン里親プロジェクト”

(1/2)

 

日々装置設計の業務に携わりながら、25年10月現在、2人の学生を同時支援し、30代にして累計3人の学生支援をするベテランオンライン里親であるくりさん。交流会や里親同士の勉強会への参加率も高く、今年度からはオンライン里親の「お世話役」として運営面でも活躍されています。

そんなくりさんに、オンライン里親を始めたきっかけや、続けてきたからこそ感じるオンライン里親プロジェクトのよさと難しさ、そして学生との関わりの中で大事にされていること等を、オンライン里親プロジェクト担当の本部スタッフ田村が聞き手になって伺いました。

2週にわたってお届けする、インタビュー前・後半の前半です。

 

コロナ禍がきっかけで生まれた「社会に還元したい」という思い

 

−-くりさんは現在30代で、はじめてオンライン里親プロジェクトにご参加されたときは、まだ20代でいらっしゃいましたよね。オンライン里親プロジェクトには20代〜80代まで幅広い年齢の方が参加されていらっしゃいますが、20代だったくりさんが参加されたごきっかけを教えてください。

 

くりさん:

「私はありがたいことに、比較的裕福な家に生まれて、大学時代もアルバイトや奨学金を経験することなく学生生活を過ごすとができました。そして卒業後も幸いなことに仕事に困ることなく、現在まできています。

そんな中、20代半ばに差し掛かったとき、コロナ禍になって時間ができたこともあり、色々と人生やお金の使い方について考える機会がありました。その際、『自分は運良く恵まれた家庭に育ち、何不自由なく生きていくことができたけど、それは当然のことではなく、本当に運が良かった。今度はその自分のお金や行動を、誰か他の人のために使って、社会に還元したい』と考えるようになりました。」

 

−-すごい、素晴らしいお考えですね。自分のお金だから、欲望の限り自分のために使っちゃおう!とはならなかったんですか?

くりさん:

「もともとあまり物欲もなくて。お金と時間を使うということを考えた時に、自分にベクトルがいかなかったんです。洋服なんかも、安くて機能性があれば十分だなって思います。子どもの頃から親が地域のお祭りの運営なんかに参加していて、その背中を見て育ったことも影響していたかもしれません。」

 

−-みらいこども財団を見つけてくださるまでのところで、くりさんご自身が何か寄付や、ボランティアに参加された経験はおありだったんですか?

くりさん:

コロナ禍で自分の「お金」と「活動」を誰かのために使おうと考えた後、まず「活動」の部分として、地域の学習支援のボランティアに参加し始めました。毎週木曜日と金曜日の夕方2時間、小中学生を相手に勉強を教える活動で、5年程続けました。

そして「お金」の部分として、手始めにクライドファンディングサイトをのぞいて、色々なところに3000円とか、5000円とかの単発の寄付をするようになりました。福祉系に特化したページに全部目を通して、「日本人の若い世代にお金出したい」という思いがあったので、その思いに合致しているところに、10団体くらい寄付したかと思います。その中に、実はみらいこども財団もあったんですよ。」

 

*みらいこども財団は2020年、コロナ禍でボランティアクルーによる児童養護施設訪問活動ができなくなってしまった際に、全国の児童養護施設へのヒアリングを実施。その中で、施設卒園後の学生達がアルバイトを思うようにできず、生活に困窮し、進学を諦めざるを得ない状況に陥っているという課題を知り、クラウドファンディングにて支援寄付を募っていました。この活動が後の「オンライン里親プロジェクト」に繋がっています。

 

−-オンライン里親プロジェクトが2021年開始なので、その前からすでにご支援いただいて…本当にありがとうございます。

でも10団体くらい寄付をされていた中で、どうしてみらいこども財団の支援を継続しようと思ってくださったんですか?

 

くりさん:

「クラファンに出資すると、団体からのフィードバック(活動報告など)があることがあるんですが、10団体の内、みらいこども財団を含む2団体がしっかりフィードバックをしてくれたんです。また、自分の中でその団体が詐欺じゃなく、ちゃんと活動している団体か見極める項目がいくつかあるんです(笑)。」

 

−-そうなんですね!詐欺団体と思われなくて良かったです…!(涙)ちなみにどんな項目なんですか?

くりさん:

「たとえば、団体の代表の顔写真がちゃんとHP等に掲載されているかとか、HPやSNS等が定期的に、かつ直近も更新されているか、等ですね。それで、『この団体は、ちゃんと活動しているんだな』と確信を持つようになり、継続的な支援をするようになりました。」

 

−-信頼いただけて本当によかったです。私は財団の広報担当でもあるので、これからも活動報告にも力を入れていきたいと思います!

 

交流を通じて、自分の視野も広がる――オンライン里親さん同士の関わりの価値

 

−-財団の活動を継続的に応援してくださる中で、オンライン里親プロジェクトにも参加しようと思ってくださったのはなぜだったんですか?

 

くりさん:

「財団から寄付者向けの案内の中で、『オンライン里親プロジェクト』が始まると知って、やってみようと思ったんです。先ほども話した通り、私は大学時代、アルバイトも奨学金もやってなかったんですが、奨学金って、ざっくり1年で100万円として、4年で卒業したタイミングで400万円くらいの借金を背負うことになる人もいる訳ですよね。それって結構大きいなと思っていて。大人の都合でそうした負担を背負わずにいられなかった学生達に、少しでも手を差し伸べられたらと思いました。」

 

−-とはいえ、おそらく『オンライン里親』って世界初の試みで、お金の支援だけでなく、「交流」の支援もありますよね。参加することに不安はなかったんですか?

くりさん:

「コロナ禍前だったら、『オンラインだとちょっとね…』という思いがあったと思います。そういう意味で、コロナ禍にこのかたちの支援を始められたというのは時流に載っていて、すごいと思います。

また、その『交流』の部分こそ魅力的だと感じています。私は人と話すのが好きなので、学生さんとの会話はもちろん、オンライン里親さんとの交流もとても有意義だと感じています。」

 

−-そういっていただけてとても嬉しいです!一緒に活動するオンライン里親さん達について、どう思われますか?

くりさん:

「オンライン里親さんって、本当に様々な年代の方がいて、皆さんそれぞれいろんな経験を持っていらっしゃいますよね。オンライン里親さん達との関わりの中で、自分とは違う路線というか、違う人生を送っている人がたくさんいるということを、肌で学ぶこともできました。Fくんの支援をしていたときに一緒だったオンライン里親さんが、元々会社員だったのに、社会課題を感じて福祉の道に進まれた方がいて。あとはそれこそ、河野さん(*財団スタッフ/ボランティアクルー&オンライン里親さんを経験後に財団に入社)とか。数年前に世界中を船で旅していましたというお話もすごく衝撃でしたし、すごいなと思ってたらいつの間にか財団のスタッフになってらっしゃいましたし(笑)。」

 

−-河野さんすごいですよね!オンライン里親さん達からいい刺激を受けていただいているんですね。

 

くりさん:

「そうですね。先ほども、他の学生さんチームのオンライン里親さんと初めてお話ししたんですが(*インタビュー当日、大阪の財団本部にてリアルオンライン里親ミーティングを開催し、オンライン里親さん同士チームの垣根を越えて、交流いただきました)、その中で『オンライン里親プロジェクトに参加することで、学生さんが“挑戦をする”その機会を奪わずに済んだという喜びがあります』と仰っていたのが、すごく新鮮で。昨日までは言語化できてなかったんですが、言われてみれば、確かに自分の中にもそう言う感覚があるなと気づかされました。

 

また皆さんとてもいい方達ですよね。お話ししていて、考え方やものの捉え方など、素晴らしいなと感じることがよくあります。例えば、学生さんへの声がけについて話し合うときに『“頑張ってね”と言っちゃいけない時がある』という意見が出たことがありました。“この言葉が相手にどういう影響を与えるのか”ということって、真剣に考えられる方って世の中に多くはないと思うんです。ここまで素晴らしい方々が集まるのって、そうそうないことだなと思います。」

 

−-わかります!オンライン里親さんも、ボランティアクルーさんも本当に皆さん優しくて、こんないい人たちがみらいこども財団に400名も集まってくれて、本当にありがたいなと私も日々感じています。

 

(インタビュー後半に続く)

 

***

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この記事を書いた人

田村 彩水
田村 彩水
滋賀県出身。2023年よりみらいこども財団経営企画室(本部)入社。
企業ドネーション、オンライン里親プロジェクト、広報・SNS担当。
子育てのために山登りから離れているが、いつか息子と山に行きたい。

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