みらいブログ

オンライン里親・くりさんインタビュー “オンライン里親が語る、オンライン里親プロジェクト”(2/2)

2025年11月05日

オンライン里親・くりさんインタビュー “オンライン里親が語る、オンライン里親プロジェクト”(2/2)

 

日々装置設計の業務に携わりながら、25年10月現在、2人の学生を同時支援し、30代にして累計3人の学生支援をするベテランオンライン里親であるくりさん。交流会や里親同士の勉強会への参加率も高く、今年度からはオンライン里親の「お世話役」として運営面でも活躍されています。

そんなくりさんに、オンライン里親を始めたきっかけや、続けてきたからこそ感じるオンライン里親プロジェクトのよさと難しさ、そして学生との関わりの中で大事にされていること等を、オンライン里親プロジェクト担当の本部スタッフ田村が聞き手になって伺いました。

2週にわたってお届けする、インタビュー前・後半の後半です。

前半のインタビューはこちら

 

支援学生さんと年代が近いからこそ、心配しすぎない“兄”的な距離感”を意識

 

−-日々の学生さんとの交流の中で、気をつけていることはありますか?

くりさん:

「支援中は本名や出身地などは明かさないルールになっているので、グレーな部分を話しているときは、どこまで質問していいのかな?と悩むことはあります。ただ、あまり過度に心配しすぎないようにしています。学生さんにとって、いざとなったら相談できる人がいるのはいいことなのかなと思いますし、いろんな大人と話すことで、今後社会に出たときの訓練にもなっているとも思うので、気を遣いすぎないようにしています。」

 

−-学生さんとの交流の中で難しいと感じる部分はありますか?

くりさん:

「オンライン里親側が学生さんに頼って欲しいと思っていても、学生さんが弱みを見せてくれるかわからないというところでしょうか。

ただ、学習支援のボランティアをしていても思うのですが、子ども達・学生達がこちらを信頼して心を開いてくれるには、やはりそれなりに、1〜2年レベルで時間がかかると思います。初めはあんまり喋ってくれなくても、3ヶ月に一度、知らない大人の中に顔を出してくれる、それだけで十分だと思います。いい具合に、大人側の期待値を下げることは大事だと思います。」

 

 

−-くりさんは、ご自身が支援する学生さん達と年代的にとても近いですよね。意識していることはありますか?

くりさん:

「支援学生さんと親子くらい年齢が離れている人が多い中で、その違いは活かしたいなとは思っています。『オンライン里“親”』ですが、“兄”みたいな距離感かなと思います。兄弟って、意外とドライだと思うんです。実際の家族間でも、弟か妹が大変って聞いても、親はめちゃくちゃ心配してるけど、兄は心配していないわけではないけど、そこまでではない、みたいなことってよくあると思うんです。その感覚でいることは、個人的にすごく重要だと思っています。学生さんから『カップラーメンしか食べてません』みたいな報告があったとしても、自分は、あまり心配しすぎないようにしています。親心として、日々何食べているのか気になるのはよくわかるんですが、全体のバランスを取るためにも、1人、2人くらいはそういう感覚の人間がいてもいいんではないかなと思っています。

あとは、あんまり小さい心配事にクローズアップしすぎると、大きな心配事に気付けない可能性もあると思っていて。一緒に暮らしていたとしても、家族の異変に気づけないようなこともありますよね。それって、情報が多すぎるんだと思います。小さい心配事があると、その後ろにある、人間関係や、お金のこと等、もっと大きな問題に気づけないということにもなりかねない。そう言う意味でも、小さな問題に気を取られすぎないようにしています。」

 

オンライン里親チームが一つのよき集団になるために、一番大切なこととは?

 

−-複数のオンライン里親さんで、チームで関わるからこそ、ご自身の立ち位置や役割を意識していただいているんですね。チームとして、学生さんに関わるからこそ、大事なことって何かあると思いますか?

 

くりさん:

「オンライン里親さん同士が、仲がいいことだと思います。何なら、何よりも重要なことかと思います。」

 

−-何よりも、ですか!どうしてそう思われるんですか?

くりさん:

「たとえば会社でも、上司AさんとBさんが仲が悪いと、部下は探り探りのコミュニケーションになりますよね。オンライン里親さんと学生さんは上下関係というわけではないですが、やはり学生さんに気を使わせると思います。

また、オンライン里親さんが7人いたとしたら、学生さんとオンライン里親さん、それぞれ7通りの関係性のラインが結ばれると思うんですが、それだけだとどうしても「支援される側ーする側」という関係性だけになるというか、その立場の差が明確になってしまいやすいですよね。でも、オンライン里親同士も関係性のラインで結ばれていると、その会話の中に学生さんが入っていったとき、「支援される側ーする側」という関係性が少し和らぐというか。里親Aさんと里親Bさん、里親Aさんと里親Cさんと学生さん…と色々な関係性のラインができると、コミュニケーションも多様になりますし、チームとしての全体感もできると思います。一つのよき集団になるためには、すごく大事なことだと思います。」

 

--なるほど!学生さんとのよき関係性・コミュニケーションを引き出すために、“オンライン里親同士の仲が良いこと”はすごく大事なことなんですね。

実はオンライン里親さん達の勉強会や交流会を開催しているも、まさにこういった理由だったので、そこに思い至ってくださっているオンライン里親さんがいてくれて、私は非常に嬉しいです!!

 

--最後に、学生さんとの交流の中で、印象的だったエピソードがあれば教えてください。

くりさん:

「やはり初めてリアルで会う卒業式ですね。直接会うのは初めてなんですけど、初めて会った気がしなかったのを鮮明に覚えています。ただ、オンラインでは首から上しか見えないので、思ったより背が高いねとか、思ったより背が低いんですねという会話をしました。(笑)

あとは、学生さんのお誕生日の前後の交流会で、ハッピーバースデーの歌を歌うのは是非とも他の学生さんチームもやってほしいなと思います。すごい独特なんですが、オンラインだからこその経験で、とてもおすすめです。」

 

−-支援している学生さんが、歳を重ねて成長をする姿を目の当たりにできること、そのお祝いを一緒にできることも、オンライン里親さんにとっては大きな喜びですよね。

くりさん、貴重なお話をありがとうございました!

これからも学生さん達との支援と交流を、ご一緒できることを楽しみにしております!

 

***

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この記事を書いた人

田村 彩水
田村 彩水
滋賀県出身。2023年よりみらいこども財団経営企画室(本部)入社。
企業ドネーション、オンライン里親プロジェクト、広報・SNS担当。
子育てのために山登りから離れているが、いつか息子と山に行きたい。

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