コラム

社会的養護について知ろうvol.16 フランスの社会保障~妊娠出産費用はいくら?~

2024年09月06日

こんにちは、みらいこども財団スタッフの大谷です☺

毎週金曜日に社会的養護に関するあれこれを発信しています。

 

今回は少し目線を変えて、安發明子さん著「フランスの子どもの育ちと家族」より、フランスの社会保障制度を紹介します!

 

さて、妊娠出産にかかる自己負担額。

日本では5万~20数万円程度(一般的なデータと個人的な経験から)

フランスではいくらでしょう?

 

答えは、無料!0円!です。

妊娠検査、妊婦検診、出産まですべて無料です。

手続きもカンタン、フランスでは妊娠検査をした医療機関で、医療従事者が妊娠届を提出してくれます。

 

✨フランスの妊娠出産費用は0円、手続きもカンタン

  1. ・妊娠検査費用…無料
  2. ・妊婦検診費用…無料
  3. ・分娩費用…無料
  4. ・支援開始の手続き…医療関係者が妊娠届を作成、オンラインで自動的に健康保険・保健所等に共有

 

 

✨日本の妊娠出産費用は5~20万円、手続きも自分で

  1. ・妊娠検査費用…全額自己負担
  2. (赤ちゃんの心拍が確認できたら「妊娠」のため、もしその前に受信したら、後日再受診しないといけない。妊娠検査費用は健康保険適用外のため、都度、3~4千円程度を自己負担)
  3. ・妊婦検診費用…一部補助、自治体によって補助金額が異なる。差額は自己負担
    (差額は毎回1000円程度、血液検査時はさらに10,000円程度の自己負担)
  4. ・分娩費用…50万円補助、差額は自己負担
    (病院によるが差額の自己負担は3万~20万程度)
  5. ・支援開始の手続き…「妊娠」と診断されたら、自分で区役所に申請し「母子手帳」を受けとる

 

 

✨児童養護施設の子どもの約半数はシングルマザー家庭から

日本全国の児童養護施設で暮らす子どもの95.4%は「保護者あり」、うち48.5%が「実母のみ」、また10.4%が「養父実母」です。

また外国籍のシングルマザーを持つ子どもも多くいます。

施設で暮らす子ども達のほとんどは、家庭でつらい経験をしてきたとしても、お母さんや家族と一緒に暮らしたい、と思っています。

 

ではどうして家庭で暮らすことができず、児童養護施設に入っているのか?

適切な制度やしくみがあれば、そもそも子ども達は施設に来ることはなく、家族と暮らすことができたのでは?

活動する中で日々こうした疑問を感じています。

 

 

今回は妊娠出産についてフランスの制度を紹介しましたが、ほかにも日本では社会保障制度やそのしくみの不備により最終的に子どもに我慢を強いていることが多くあると思います。

 

“「子どもの貧困」はなく、貧困なのはおとなたちと制度”

“社会保障があれば貧困は子どもを直撃しない”

引用:安發明子「フランスの子どもの育ちと家族」 3.生活保障より

 

 

子どもの代わりに声を上げるのが大人の役割!
世界の良い事例から学んで日本もどの子どもも幸せになれる社会に!

道のりは簡単ではないですが、わたしたち一人ひとり、一人でも多くの大人が学んで行動していきたいですね

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

 

出典

安發明子「一人ひとりに届ける福祉が支える フランスの子どもの育ちと家族」(かもがわ出版 )

子ども家庭庁「令和4年度児童養護施設児童等調査の概要」P.13,14

 

 

 

 

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