コラム

社会的養護について知ろうvol.19  施設職員さんのお話「児童養護施設の暮らし」Part①

2024年09月27日

こんにちは、みらいこども財団スタッフの大谷です☺

毎週金曜日に社会的養護に関するあれこれを発信しています。私も学びながらですが、少しでも一緒に知って頂ければ嬉しいです。

 

さてみなさん、児童養護施設では普段、子ども達がどんな生活をしているのかご存知ですか?

学校は通えているの?ご飯はどうしているの?習い事は?お出かけは?などなど…

 

今日は支援の現場から、「児童養護施設の暮らし」についてご紹介します。

(みらいこども財団主催 オンライン里親さん向け勉強会「児童養護施設の職員さん講演」をもとに、Q&A方式にアレンジを加え、文言も修正しています)

 


✨児童養護施設ではどんな生活をしているの?

– あたりまえの生活を、あたりまえに送っています。

学校は行ってるの?と聞かれることもありますが、普通の子と同じです。地元の公立小中学校、高校に通います。

施設も国の方針で小規模化が進んでおり、6人程度の家のような環境です。

ご飯は生活空間で作っているものをダイニングで食べます。(大きな厨房で作って食堂で大勢で食べるのではありません。)
献立は栄養士が立てます、時々は子供のリクエストに応じて作ることもあります。
おやつ作りを一緒にすることもあります。

夏休みはいろんなところにお出かけもします。

習い事をする子どももいます。中学生からは塾にも通えます。

毎月お小遣いがあります。

お誕生日は手作りケーキでお祝いをしたりもします。

 

 

✨児童養護施設の子どもの入所理由は?

– 虐待での入所が年々増え続けています。約8割が虐待が理由で入所しています。

平成30年の国の調査データでは、「入所児童の約7割が被虐待経験あり」とありますが、年々増えており、(講演してくださった職員さんの施設では)8割は虐待を受けてきた子どもです。

虐待の種類は4つ(身体的、心理的、性的、ネグレクト)ありますが、複数を受けてきた子どももいます。

 

 

✨児童養護施設で暮らす子はどんな子ども達なの?

– 虐待環境が子どもにとっての日常だったので、職員の思う「常識」は子ども達にはまったく通じません。

毎日安心安全な生活を送れない、今日ご飯が食べられるかどうか分からない、今日親が帰ってくるか分からない…、という状況で生きてきた子ども達が入所してきます。

社会にとっての「常識」は子どもにとっての「非常識」といった感じです。

 

– 自己肯定感が低い子どもが多いです。

日常的に親から「あんたなんて生まなければよかった」と言われ続けてきたり、大事にされた経験がなかったりします。

このため、「自分は愛されるべき存在、大事な存在じゃないんだ」と思っている。自己肯定感が低い子どもが多いです。

 

– 「大人なんて信じられない」「人間関係を作りたくない」と思っている子どもが多いです。

施設でも職員の離職がある。子どもにとっては、せっかく数年かけて信頼関係を作り、「この大人なら信じられる」と思ったのに、その大人がいなくなってしまう

こうした経験を重ねることで、「それならはじめから人間関係を作らないようにしよう」と思うようになってしまっています

 


 

 

日々子ども達と真剣に向き合う職員さんからのお話はとても重みがありますし、

とても厳しい環境で生きてきた子ども達を知るたびに、その理不尽さと子どもが負ってきた心の傷に愕然とします…。

 

小学生の子どもの習い事は子どもの可能性を広げるといいます。

「でも送迎が大変なのでは?」とお伺いしたところ、「送迎の時間も子どもと個々の時間をもって、ゆっくり話をする大切な時間になっている」とおっしゃっていました。

子どもの心の回復を願い、真摯に向き合い続ける職員さんに、私たちもこうした現状をもっと多くの方に知ってもらい、一緒に行動する人を増やすことで応えていきたいと強く思います。

 

 

みらいこども財団では、子ども達により良い支援を届けるため、ボランティアクルー、オンライン里親向けに様々な研修や勉強会を開催しています。

なにか困っている子どもの力になりたい、仲間とともに学びながら本気で活動したい、そう思った方は、まずはお気軽に説明会にご参加ください(下記リンクより申し込みできます!)企業様は問合せよりご連絡ください!

 

次回はPart②「こうした子ども達にどのように接していますか?」をお届けします。ぜひご覧ください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

 

 

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