みらいブログ

社会的養護を知ろう⑥ 児童養護施設、現場からの声No.3

2025年06月27日

みなさんこんにちは!みらいこども財団スタッフの大谷です

このシリーズでは毎月1回、社会的養護や児童養護施設について制度や暮らしなどをお伝えしています。

今回も、児童養護施設で日々子ども達を支える、施設職員さんの声をご紹介します。

 

また「グループホームって?」「一人の職員さんが何人の子どもを見ているの?」など、児童養護施設はどんなところか解説します。

 

✨【現場の声】私たちのリアルな課題

■私たちの施設では、日々子どもたちと向き合う中で、いくつもの小さな「難しさ」と直面しています。

まず、子どもたちが思いっきり体を動かせる場所が足りないこと。
運動することが、心と身体の健康につながることは分かっているのですが、思い通りにその環境を整えるのは簡単ではありません。

また最近特に感じるのが、「権利」についての理解のバランスです。児童の権利擁護やアドボカシーはとても大切なこと。
でも、子どもによってはその「権利」を「好き勝手していいこと」と捉えてしまうこともあります。
私たちはその違いを丁寧に伝えていく必要があるのですが、なかなか一筋縄ではいきません。

そして、職員自身のストレスケアも切実な課題です。子どもたちの命や未来を預かる責任の重さを日々感じながらも、自分たちの心のケアが後回しになってしまう現実があります。

 

■人手不足と学習支援の壁

もうひとつ大きな悩みは、慢性的な人手不足です。職員の数が足りないと、どうしても「子どもにしっかり向き合う時間」が取れなくなってしまいます。

たとえば、低学年のうちに九九をしっかり身につけさせてあげたいと思っていても、個別に時間を取って教えてあげるのが難しい現状です。さらに、部活動以外の運動の機会を作ってあげたいのに、その送迎の人手が足りない。やりたいこと、必要なことが目の前にあるのに、手が届かないというもどかしさがあります。

 

■地域とのつながりを取り戻したい

コロナの影響で、地域の方々とのつながりが途絶えてしまったのも、今の大きな課題です。私たちの施設は、地域の理解と協力があってこそ成り立つ場所。でも、その理解を得るのには、時間と丁寧な関係づくりが必要です。

複数の児童を同時に見る私たちは、一般家庭のように1人1人にきめ細かく対応するのが難しい。だからこそ、地域の中で支え合える関係を築いていけたら…と願っています。

 

■グループホームの現場から

今、私たちのグループホームはご近所の方々に理解していただいているという点では、とてもありがたい環境にあります。

でも、常に二人体制で見ているわけではないため、職員が一人になると支援の様子が外から見えづらい。
職員の負担が増すと同時に、子どもの気持ちの変化や困っているサインも見えにくくなってしまうことがあります。

だからこそ、地域に根ざし、開かれた施設にしていくことが今後の課題だと感じています。

 

■もっと、児童養護を知ってほしい

私たちが働いているこの分野「児童養護施設」という存在そのものが、まだまだ社会に知られていないと感じます。
この仕事をしている私たちですら、最初は知らなかった人も多いくらいです。

この分野にもっと光が当たり、施設出身の子どもたちが偏見なく社会で生きていけるように、まずは多くの人に「知ってもらうこと」から始めたいと思っています。

 

(出典:みらいこども財団実施の全国児童養護施設職員様アンケートより。読みやすいように一部修正を加えております。)

 

いかがだったでしょうか?アンケートより一部をご紹介しました。

 

✨児童養護施設ってどんなところ?

児童養護施設は、子ども達にとって「大きなお家」のようなところです。

かつては児童20人以上が大きな建物の中で集団生活を送る「大舎制」が主流でしたが、
最近はより家庭的な環境に近づけるため、ひとつの児童養護施設内でも少人数グループで生活するなど、「小規模化」の取り組みが進んでいます。

職員さんアンケートにある「グループホーム」も、地域の一般住宅を利用した小さな児童養護施設です。

子ども6名程度に職員さんが1人、少し大きな家のような場所で一緒に暮らします。ご飯も家庭と同様に各家のキッチンで作り、みんなで食卓を囲みます。

 

小規模化の推進により、児童養護施設も一般家庭のような環境になってきています。

 

一方で、虐待等の影響で個別かつ専門的な対応が必要な子どもが多い中、職員さんは常に6名程度の子どもを見なければいけません。

職員さんの多くは通い勤務のため、昼夜二交代制、夜勤もあるハードな仕事でもあります。

職員さんの声にもあるように、人でが足りず、子ども達に十分なケアが行き届かない現状があります。

 

✨私たちにもできること

グループホームの形で地域にある児童養護施設も増えてきました。地域の大人たちの理解や見守りも、児童養護施設で暮らす子ども達には大きな支えになります。

また何か躓いたとき、困ったときに、話せる大人がいるかどうかで子供達の未来は大きく変わります。

もし児童養護施設の子ども達やその自立に関心をもったら、近くの児童養護施設に何かできることがないか問合せたり、寄付で応援するのも良いかもしれません。

 

みらいこども財団でも、交流型奨学金「オンライン里親プロジェクト」や、児童養護施設訪問ボランティアで、多くの優しい大人が子ども達と関わり支える支援を行っています。

 

みなさんの一歩が子ども達の支えになるはずです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

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