こんにちは、みらいこども財団スタッフの大谷です☺
毎週金曜日に社会的養護に関するあれこれを発信しています。
今回も前回に続き少し目線を変えて、安發明子さん著「フランスの子どもの育ちと家族」より、フランスの社会保障制度を紹介します!
さて、日本の生活保護は受給審査のために「銀行照会」や「扶養照会」があります。
フランスではこうした審査はあるでしょうか…?
答えは「なし」です!
申請できる窓口も福祉事務所、家族手当基金、職業安定所、保健所など複数あり、相談者が抱える問題の解決を一番得意とする機関で申請したりフォローを受けることができます。(日本は福祉事務所の生活保護担当のみ)
✨日本の生活保護
- ・単位 …世帯単位
- ・審査期間 …14日~30日(結果、受給資格なしとなる場合も)
- ・確認事項 …資産・能力・あらゆるものの活用、扶養義務者への照会
あらゆるものを活用しそれでも不足の場合のみ支給される。扶養照会では、3親等までの親族、父母、きょうだい、祖父母、孫、おじ、おば、おい、めいなどへ文書で扶養照会をする - ・窓口 …居住地域福祉事務所の生活保護担当
✨フランスの生活保護
- ・単位 …個人(家族やパートナーと同居しながらでも、誰にも知られず受給できる)
- ・審査期間 …なし
- ・確認事項 …自己申告
- ・窓口 …その人が抱える問題の解決を一番得意とする機関(福祉事務所、家族手当基金、職業安定所、保健所など)
引用:安發明子「フランスの子どもの育ちと家族」 3.生活保障より
✨日本で最低生活費を下回る生活水準の人で生活保護を受ける人は2~3割
日本では、最低生活費を下回る生活水準の人のうち、実際に保護を受けている人は2~3割しかいないという推計が複数あるそうです。
これには扶養照会によって家族親族に生活保護を知られることに抵抗があり申請していないケースもあると考えられています。
一方フランスでは、福祉制度はあるだけではダメ、届いてこそ価値があるという認識だそうです。
制度や届け方に不備がある場合は、ソーシャルワーカーが代弁者としてまず、堂々と声をあげるのだそう。
現状の行き届いたしくみもこうしてできてきた経緯があります。
海外の事例にはたくさんのヒントがあります。
道のりは簡単ではないですが、わたしたちもだれもが孤立せずにみんなで支えあえる社会を作るべく、考えて行動していきたいですね!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
出典
安發明子「一人ひとりに届ける福祉が支える フランスの子どもの育ちと家族」(かもがわ出版 )
朝日新聞デジタル「【そもそも解説】生活保護の扶養照会、誰が照会対象?何を聞かれる?」(2023.3.28)
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