――職員さんもしたくてもできないということがあったとは思うのですが、子供の立場からして、職員さんにもっとこうしてほしかったというのはありますか?
当時は職員が少なかったんですけど、もうちょっと守ってほしかったなというのはありました。大人になってからわかるんですけど、難しいんですよ。言わないとわからない部分があったりするので。僕が子供と話をすれば自分もそうだったから、何かあったら感覚でわかるんです。ただそれが全員の職員にできるかっていわれると多分それはできない話であって、難しい部分ではあるんですけど、そういう意味ではとにかく子供とコミュニケーションをとって、何かあると絶対引っかかる部分あるはずなので、そこで気づけるか気づけないかですよね。多分忙しいとは思うんですけど、でもやっぱり子供にとってのよりどころは、職員とはいえやっぱりお父さんお母さん的な部分ではあるので、そこは察してほしいなみたいな、できるんであればですけど…。子供に寄り添うことが一番ですかね。多分それだけでも何人かの子供は救われると思うので。
あとやっぱり、絶対やっちゃいけないのは、子供の差別ですね。わかりやすく説明すると、この男の子にはすごく甘いけど、この男の子にはすごく厳しいっていう。それが一回実際にあったんです。そのときは僕がたしか高2の時で、それなりのイケメンの二人と、僕ともう一人小さい子がいたんですけど、その二つに分かれてて、顔が整ってたりとか容姿がいい人にはなんかすごく優しいんですよ。それが僕だけだったらまあ勘違いかなって思ったんですけど、あからさまに対応もおかしいし、周りの女の子も言ってたんです。で、あるときにその小さい子にその保母さんがすごく怒鳴りつけていて、あまりにも理不尽だと思ったので、俺がぶちぎれたんです。それで職員会議みたいになって、その場で園長先生とその次に偉い先生とその保母さんと話し合ったんですけど。あからさまにおかしいぞと、そういう差別があったりとか、たとえば自分は部活のことで電話するためでも、自分の小遣いからやってるのに、ただただ友達と遊びの約束をするために保母さんの携帯を借りるっていうのもあって、それもおかしいでしょと。もし俺が部活のことでの電話を自分のお金で公衆電話でやるんだったら、そいつにもやらせろよっていうそういう話もしたら、やっぱり差別みたいなのを認めたらしくて。多分その後は解消されたと思うんですけど、やっぱりそういうのがあったので、やっちゃだめなのかなっていうのとかは思いますね。
(③につづく)
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