コロナウイルス緊急支援プロジェクト

支援金報告インタビュー第四弾【Rさん:男性】③

2021年09月07日

(前回までの記事)
支援金報告インタビュー第四弾【Rさん:男性】①
支援金報告インタビュー第四弾【Rさん:男性】②

――卒業してからのことを教えてください。

僕は役者がやりたくて役者に関わることをしたいなって思っていたんですけど、就職しなさいみたいな感じで学校の先生に言われて、就職することになりました。

最初はスーパーで働いていたんですけど、やっぱり役者をやりたいと思っていたので、エキストラをやりながらやっていたんですけど、そのときにエキストラでテレビに映っちゃって、副業ダメだよみたいな感じで会社の方から言われてしまって。で、役者をやるのかスーパーをやり続けるのかどっちにするのかっていわれて、そこで役者をやりたいですっていってやめて。そこからまあいわゆる負のどん底に入るきっかけになっちゃったんですけど…。

最初はアルバイトをしながらやっていたんですけど、いろいろと追いつかなくて、借金がたまり、知人の紹介でここで働かないかっていわれて。当時はギャンブルとかもやってて、お金があるとギャンブルやると思うから、お小遣いは俺が少しずつ渡すとか、あと家賃とか健康保険とか全部俺が払っとくから、会社で負担するからっていわれて、そこの会社に入ったんですけど、まともにお金ももらえず、ブラックでやってて。

それで1年くらい働いていたんですけど、借金が膨らむ一方で、これはやばいなって思って、ちょっとでも早く返さないとと思って、ネット通販のお客様の代金をギャンブルに使っちゃって、会社の人にすぐバレて怒られたんですけど。

そのとき借金が200とか300くらいあって、あからさまにブラックっていうのはわかっていたんですけど、このままだと借金は減らないし、かといって自分がいた施設の人に相談できるかって言ったらできない、これ誰にも相談できねえなって。その時にふと思ったのはこれ死んだ方がいいのかなと。いつ死のうかみたいなことを考えていたら、知り合いから電話があって、俺の知ってる子が事故でなくなったっていう電話で。そこで自分もどうでもいいやと思って話をしてたんですよ。これこれこういうことでっていうのを。その知人と事故で亡くなった子とは3人で地元の祭りでよくつるむ仲だったんです。で、そのうちの1人が亡くなってしまって、まあ僕も死を選ぼうかと思ってたんですって話をしたら、すごく怒られて。「たしかに俺とおまえは祭りくらいでしか接点もないけど、死ぬのはもったいねえぞ」って、「俺はお金も貸せないけど、でも何かほかのことではフォローできるから」って言われて。無料弁護士を紹介してくれたりとか手続きとかしてくれて、その先輩も僕が児童養護施設出身だったことを理解してくれていて、「どうせ死ぬんだったらダメ元で(施設の人に)言ってみろよって。それでだめだったら、その時考えようよ。やってやってやり尽くして死ぬんだったらまだわかる。何もやんないで死ぬのはそれは違う。」って言ってくれて。それでじゃあダメ元で言ってみようと思って、無料弁護士もそうですし、児童相談所、施設にも言って、なんとか一命をとりとめて。そしたらちょうど会社の社長さんが持ち逃げしちゃったんで、タイミングいいなと思って一回児童養護施設に戻って、ちょっといろいろと落ち着いて、今の新聞配達に属してるって形ですね。

 

――大変だったんですね…

そうですね。虐待を受けている時とか、あといじめで死のうかなと思ったことが1回と、社会人になってからそういう金銭に対するトラブルで死のうと思ったのが2回目だったので。今は借金も順調に返せてうまくいけばもう少しで終わるところなんですけど。

所長も俺が児童養護施設にいたことと、生い立ちと、借金のことも理解してくれていて、所長も一緒に協力してくださって今の生活があるっていうのがあって。だからこそ、なんていうんですかね、全然自分は人としてもまだまだな部分はあるんですけど、そういう助けてもらった人への恩返しというか、ましてや死ぬ覚悟ができたくらいなんで、やれることはやろうかなって思って、今役者を目指しているっていう部分はあります。

(④につづく)

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